前回の記事で初めての子犬に必要な心構えとグッズについて書きました。
今回はそれを踏まえて、初めての子犬の飼い方について解説していきます。
これまでの記事で書いてきたことのお浚いも含みますので、その復習も兼ねてやっていきましょう。
初めての子犬は不安と戸惑いの連続
まず前回の記事でも書いたように、初めての子犬は不安と戸惑いの連続です。
しかし、それは飼い主とその家族にとってだけではなく子犬にとっても同じで、初めて家に来た子犬は環境の変化で思わぬストレスを抱えています。
ましてや生まれて間もないので飼い主と家族との距離は縮まっておらず、そうした要因から少なからず体調を崩しやすいのです。
だからこそまず大事なのは子犬との距離感の取り方であり、構いすぎても構わなさすぎてひとりぼっちにしてもいけません。
初めての子犬は特にやってみないと分からないことだらけのギャンブルですから、まずこの段階で躓くことが最初の壁です。
だからこそ冷静沈着に子犬の気持ちに寄り添った対応をしていくことを心掛けてください。
初めての子犬の飼い方で気を付けるべきこと
それでは具体的に初めての子犬の飼い方で気を付けるべきことを簡潔ではありますがリストアップしていきましょう。
最初の一週間は新しいお家に慣れさせる
子犬は環境の変化に戸惑う生き物ですから、まず最初の一週間は新しいお家に慣れさせるようにしてください。
家の中を探索させたり、家族と適度に遊ばせたりして馴染ませてあげることが大切です。
この際注意すべきなのはどこまで行ったらよく、どこからがいけないのかというルールを統一することです。
サークルやフェンスなどを用いて子犬にいたずらされたくない場所へ行けないようにしておきましょう。
また、絶対に噛んだり壊されたりしてはならないコード類や薬品・観葉植物などは子犬の届かない場所に片付けておくことが先決です。
まず「郷に入っては郷に従え」の精神を子犬にしっかり叩き込み、慣れさせてください。
しつけは家にきた当日から
これに関しては犬のしつけその1やその3で具体的に書いていますが、初めて来た子犬のしつけは初日から行うことが大切です。
まだ環境に慣れてないからといってしつけを怠ったり甘やかしたりすると子犬は甘えん坊に育ってしまいます。
三つ子の魂百までですから、この子犬期にどれだけしっかりしつけをしたかで立派な成犬に育つか否かが決まるのです。
具体的な心構えやしつけの仕方はリンク先の記事を参照ください。
30~40分は遊ぶ
遊び時間の記事で具体的に書いていますが、子犬が活発に動いている時は用意した玩具で30~40分程度遊んであげましょう。
この時の子犬はまだ玩具での遊び方を知らないので、最初はまず簡単な遊びで興味をもって玩具にじゃれさせるだけで十分です。
尻尾を振りながら楽しそうに遊んでいる様子が見受けられればその時点で十分しつけは成功したと言えます。
しかし、犬と遊ぶ時はたとえ短い時間でも目を離さずにやんちゃをしないか見守ってあげてください。
加減を知らない子犬はやんちゃ盛りですから玩具を離さなかったり人や物に当たったり噛みついたりしかねません。
そういう時は飼い主がしっかりリードして軌道修正してあげることが大切です。
夜鳴きするときは耳栓して添い寝
家に慣れない最初の時期は就寝時に家族が居ない寂しさから夜鳴きをしてしまう子犬も多いと聞きます。
そういう時はハウスの近くまで行って添い寝をしてあげましょう。
また、持ち運べるクレート(キャリー)の場合にはクレートごと飼い主の寝室に運び、一緒に寝るのも手です。
ただし、子犬といえど鳴き声には声量があるのでうるさくならないよう耳栓をするといいでしょう。
人間の赤ん坊と同じで夜鳴きで起こされることが睡眠不足や近所迷惑になりかねないこともあります。
見過ごしがちですが意外に深刻な問題に発展しかねないので絶対に対処法を準備し、実行してください。
社会化期に至ったら外に連れ出す
社会化期が来たら散歩に連れていき、いろんな刺激に慣れさせて経験値を積ませてください。
子犬は社会化期に入ると家のルールに慣れていろんなことを自分でやるようになります。
こうなると次の段階へ進もうとしているので、散歩に連れ出しても大丈夫です。
いろんな刺激に触れさせることが犬を次の段階へ進ませる糧となります。
この社会化期に五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)をさらに研ぎ澄ませて成犬になっていくのです。
可愛い子には旅をさせよの精神で思い切って任せてみてもいいのではないでしょうか。
ただし可愛いがりすぎるのはNG
愛情が過ぎるあまりに構い倒したくなる飼い主も少なからずいますが、これまでの記事で触れてきたように犬を増長させるだけなのでNGです。
実際にそうした過保護さが原因で社会化期で既に飼い主よりも偉いと思ってしまい主従関係が逆転している家庭もたくさんあります。
そしてそうした家庭の判断基準は散歩時に犬が飼い主を引っ張るような歩き方をしているところで判断できるのです。
犬は確かにかわいい生き物ですが、人間ではないので溺愛する存在ではなく、可愛がり過ぎないようにしましょう。
ワクチン接種と伝染病への注意を
子犬期には「パルボウィルス」と「ジステンパーウィルス」という、二つの致命的な伝染病が存在します。
前者は吐き気から始まり5日程度で50%の子犬が死亡する病気で、後者は咳・鼻水・目脂・下痢・吐き気などを催し、最後には神経症状を起こして死亡する病気です。
しかも両者とも厄介なことに潜伏期間の長い無症状の伝染病なので、この時にウィルス検査をしても引っかかることがありません。
だからこそ子犬期にはワクチン接種を行うことが効果的とされており、またワクチン接種を行ってから数か月は無用な外出を控えましょう。
病気は何よりも一番怖いので、ワクチン接種を含め定期検診はしっかり行って飼い主・犬共に健康を保つことを心掛けてください。
衛生管理を徹底する
そして何よりも子犬を飼う上で一番大事な問題は衛生管理であり、これは子犬期に限らず常にしっかりと行いましょう。
具体的には月1回を目安にシャンプーやトリートメント・トリミング・ブラッシングなどを徹底してください。
犬によっては皮膚がデリケートな子もいるので、そういう子犬には皮膚に優しいものを選んでシャンプーしましょう。
また、家の中は必ず換気をし、なるべく子犬の匂いが家の中に残らないようにきちんとケアすることも大切です。
飼い主と家族は大丈夫でも、外からの来客は犬の匂いが原因で気分が悪くなったり蕁麻疹・アレルギーを発症したりします。
それが原因で仲の良かった友人や仕事なの上司との関係性が悪化することも珍しくありません。
衛生管理をどれだけしっかり出来ているかということもまた大事であることを忘れないでください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これまで書いてきた内容と被ることもありますが、改めて初めての子犬の飼い方を解説してきました。
大事なことは初めてだからこそ一つ一つのしつけと教育が大切であるということです。
子犬を飼うことは外から思われるほど決して簡単ではなく、様々な手間暇やお金がかかります。
人間の子供一人を育てるのと同じ位の莫大なエネルギーが必要であることを肝に銘じてください。