これまでの記事では初心者向けの犬と一人暮らし向けの犬を紹介してきました。
第3弾となる今回は室内で飼いやすい犬種とそうでない犬種を紹介します!
とはいえ、もうここまで読んでいた頂いた方には大体想像がつくかもしれません。
しかし、改めて室内向けとそうではない犬種との違いをここで書いておきましょう。
それぞれ5種類ずつ紹介し、後悔しない為の犬選びのコツを教えます。
これから室内飼いをしようと思う方は是非なさってみてください。
室内犬を飼う意味
昔は屋外で飼うことが当たり前だった犬ですが、現在は犬種を問わずなるべく室内で飼うことが主流となっています。
その意味は良くも悪くもあるのですが、ここではそのメリットとデメリットを紹介しましょう。
室内で飼育するメリット
室内で飼うメリットは何といっても安全性の高さです。
外飼いと違い脱走や事故の危険がなく、マダニやノミといった寄生虫のリスクを抑えることができます。
また、エアコンで室温を管理すれば夏場や冬場の極端な暑さ・寒さから愛犬を守ることができるでしょう。
それに、病気になったり高齢になったりして看病や介護が必要になってもすぐそばで面倒をいてあげられます。
何より飼い主と近い場所で生活することになるので、一緒にいる時間が増えコミュニケーションがとりやすくなるのもメリットといえるでしょう。
犬は本来群れで過ごす動物なので、ひとりになる時間が少ないのは愛犬にとってもよいことです。
室内で飼育するデメリット
しかし、室内飼いは決してメリットばかりではなく、当然デメリットも存在するので気をつけてください。
室内飼い独自のデメリットは抜け毛や匂いといったお手入れの問題があげられるでしょう。
犬種によって抜け毛が多かったり匂いが強かったりするので、来客があった時に犬アレルギーの方が苦手とします。
また、これが厄介ですが、イタズラ好きな子の場合家具をかじったり部屋の中を散らかしたりすることがあるのです。
場合によっては、誤飲誤食をしてしまったり大ケガをする可能性もあり、更に周辺に排泄物をまき散らすこともあります。
なるべく必要最小限のもの以外は部屋に置かず、外出の際はケージなどでしっかり隔離しておきましょう。
室内飼い向きの犬種5選
トイプードル
トイプードルの被毛はシングルコートなので抜け毛は少なく、体臭もほとんど気になりません。
そのため、お手入れの手間が少なく、室内で飼いやすい犬種といえるでしょう。
特徴的な巻き毛が絡まったり毛玉になったりしやすいため、ブラッシングと月1回以上のトリミングは必要です。
しかし、それさえ守れば小型犬ですし、基本的に手間がかからないので室内犬としては優秀でしょう。
基本的にどこに出しても恥ずかしくない犬種であります。
チワワ
世界最小の犬種として有名なチワワはそこまで広い生活スペース必要ではないので、マンションなどの集合住宅でも飼育しやすい犬種です。
小柄なわりにがっしりした体型で活発な犬種ですが、飼い主と遊んだりしているだけでも一日に必要な運動量をこなせます。
また、短毛種であればトリミングの必要もほとんどないのでお手入れに時間がかからず、基本食費だけで済みます。
月々のランニングコストがしっかり押さえられ、尚且つ小型であるということで室内犬としてこれ以上の犬種はありません。
ミニチュアダックスフンド
ミニチュアダックスは活発で甘えん坊、遊び好きな性格の子が多いので、遊びを交えながらしつけるとすぐ覚えてくれます。
しかし、お手入れの面では少し気を付ける必要があり、皮脂が多いので定期的なシャンプーで清潔に保ち、臭いや皮膚病を予防してあげましょう。
また、垂れ耳なので耳の内側が蒸れやすく、外耳炎が発症しやすい傾向にあるので小まめに耳掃除をしてあげると安心です。
維持費がややかかるとはいえ、凄く飼いやすい犬種であることに間違いは無く、かなり破格の人気を誇ることに間違いありません。
ポメラニアン
小柄ながらとても元気な犬種で、人懐こく人間が大好きで何よりも飼い主と一緒にいることを好みます。
チワワと並んで室内飼にはうってつけであり、また誰とでも気軽に接してくれる社交的な性格なので多頭飼いにも向いてるのです。
小型犬ということで必要な運動量が少ないので、その点も室内飼いに向いているといえるでしょう。
非常に活発な犬種なので、できるだけ毎日近所を歩くだけでもいいので散歩に連れて行ってください。
性格上の問題が1点だけあり、それは吠えやすい傾向があるので無駄吠えをしないようにしつけをすることです。
ミニチュアシュナウザー
長い眉毛と口ひげ、ふさふさとした顎ひげが特徴的な忍耐強く、機敏で快活な小型犬です。
小型犬の中でも賢く飼い主に従ってくれるので、しつけもしやすいでしょう。
また、とても友好的で穏やかな性格なので、多頭飼いにも向いており異なる動物とも仲良くしてくれます。
好奇心旺盛で、ありあまる元気の良さもあって思いがけないイタズラに走ってしまうこともあるのです。
なるべく部屋を散らかされないように注意して育ててください。
室内飼いのしにくい犬種5選
ラブラドールレトリーバー
盲導犬や介助犬、災害救助犬、警察犬など社会貢献を行うブラドールレトリーバーは従順で訓練性能が高いです。
しかし、仕事に就いているラブラドールは専門の犬舎で産まれたうえに子犬の頃からプロのトレーニングを受けています。
そのため、家庭犬のラブラドールとは全く別物の戦闘民族みたいなものだと思ってください。
本来のラブラドールレトリーバーは物覚えは良いもののお調子者で、飼い主の言っていることを理解していてもふざけて従わないこともよくあります。
また、何でも口に入れる癖がある上に大型犬なので誤飲や誤食が非常に多く、その都度かかる医療費も大型犬なので高額です。
ボーダーコリー
賢い犬種なので躾もしやすいと思われがちですが、基本自分が認めた相手の言うことしか聞かないプライドの高さがあります。
また、比較的体の大きな中型犬であり力もあるため無理に力でねじ伏せるというのも無理があるのです。
更に知能の高さだけではなく牧羊犬であることから運動要求も高いため、散歩を休みたいという甘えを許してくれるような性格でもありません。
賢い故にワーカーホリックとも形容される犬種ですのでまず室内飼いとしては向かない犬種でしょう。
飼うなら室外かつ余程根気強く向き合えるドMみたいな人でもなければ無理ではないでしょうか。
ゴールデンレトリーバー
日本の大型犬として大人気のゴールデンレトリーバーですが、基本室内飼いには向きません。
そもそも大型犬自体が日本の環境で気軽に迎えられる存在ではなく、余程の金持ちでないと無理です。
美しく優し気な外見ですが、当然力は成人男性より強いので生半可な飼い主の言うことはぜったに聞きません。
個体によっては攻撃性が加わることもあるので、迎えるブリーダーをしっかり見極める必要がある犬種でもあります。
飼う時は一軒家以上で室外で飼う形にしないと厳しいのではないでしょうか。
ジャックラッセルテリア
可愛らしい外見ですがしっかり筋肉のついたジャックラッセルテリアもまた人気が高い犬種です。
しかし、外見が好みだからという理由だけで飼ってしまうと、ジャックラッセルテリアに振り回されることになってしまいます。
小さな体に4WDのエンジンを積んでいると形容される永久機関とでもいうべきスタミナを潜在的に持っているのです。
力の限り一緒に遊んであげられる人でなければ、ジャックラッセルテリアも飼い主もストレスを溜めてしまいます。
大型犬故に暴れられたら部屋の中を散らかされてしまうので、室内飼いはやめておきましょう。
ビーグル
世界的人気キャラクターのモデルというだけあって、病気が少なく陽気な犬種としても知られます。
しかし、ビーグルを飼う上で覚悟して欲しいのが吠え声の大きさであり、元々狩猟犬でした。
体は小さくとも住宅街で飼うのは難しいとまで言われるほどの暴れ犬なので、室内飼い以前の問題です。
この部分をしっかり躾られなければご近所トラブルに発展する可能性さえあるのです。
基本お金持ちかつ飼育経験者向けの犬種ですので初心者には飼いにくい犬であると言えるでしょう。
室内犬を選ぶ際の注意点
上記してきた犬種を踏まえ、改めて室内犬を選ぶ際の注意点を改めて説いておきましょう。
中型・大型犬は選ばない
まず絶対に中型・大型犬は選ばないようにしてください、室内を滅茶苦茶に破壊されます。
これまでの記事でも紹介してきたように中型・大型犬は大きい分食費をはじめ維持費が膨大にかかります。
その上で体格もエネルギーも有り余っているので、しつけをきちんとしていないと放棄することになりかねません。
中型・大型犬は基本室外で飼うようにし、経済的にも余裕のある状態で行うようにしてください。
YouTubeの動画などでは大型犬などを室内飼いにしている例もありますが、絶対に真似しないこと。
そういう人達はあくまで室内飼いが出来るようにきちんと教育を受けているのです。
迂闊に真似していいことなんて何一つありません。
放し飼いはNG
室内犬の飼い方として、「犬が伸び伸びと過ごせるように」と放し飼いする方は少なくありません。
しかし実際には、犬は室内で放し飼いにされている方がストレスを感じるといわれています。
犬はもともと外敵から身を守れる巣穴のような場所を好むM気質の生き物です。
他にも、犬は本能として自分のテリトリーを決めたがる動物でもあります。
ケージのようなテリトリーがなければ犬は自由奔放となり、しつけするのも難しくなってしまいます。
この点、ケージは飼い主との服従関係を身に付けさせるのにも役立つので覚えておいてください。
室内環境を徹底整理する
室内で犬を飼うには部屋の環境から整え、犬が安心して暮らせる環境にする為の注意が必要です。
犬が快適な環境で生活できるようにするために気を配りたい点として、まず「床」があげられます。
フローリングの場合、つるつる滑って犬の足腰に大きな負担をかけてしまうため、じゅうたんやカーペットを敷くようにしましょう。
次に電化製品があげられ、化製品のコードは犬にとってかっこうの遊び道具です。
他にも空気清浄機が必要で、犬を室内で飼うとどうしても犬特有のにおいが発生してしまいます。
そのにおいが部屋にこもらないためにも、こまめに換気したり空気清浄機をかけたりするようにしてください。
自分のキャパシティ×犬のスペック×室内環境
基本的に室内飼いに関しては自分のキャパシティ×犬のスペック×室内環境の掛け算だと思ってください。
自分のキャパシティはいわゆる経済力やどういう性格の犬なら育てられそうかといった観点です。
次に犬のスペックに関しては優秀だからいいのではなく、室内飼いに適したキャパシティであることを心がけましょう。
また、室内環境はきちんと整え、片付けや断捨離・犬が快適に過ごせる環境を作ることが大事になります。
以上を総合して満点が出せたときに、初めて室内飼いが可能になるということを忘れないことです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
犬の室内飼いでは家中を自由奔放に行き来できるようにするのではなく、行動範囲をきめてください。
また、中型・大型犬は基本室内飼いには向かない上に維持費もかかるので避けることです。
そして、小型犬も全部が全部優秀というわけではないので、適性は見極めましょう。
室内飼いをするのであれば万全な環境を作った上で行うことが何よりも大切になります。
これらの点に気をつけてしっかりした室内犬を育ててください。