マルチーズはとても可愛らしく上品なイメージですが、何故かネット界隈では性格が悪いという評判が目立ちます。
確かに、これまで紹介してきた犬種の中でも見た目の中身にギャップのある犬種も幾つかいました。
しかし、これらは結局の所飼い主のしつけ方次第ということが最終的に判明しております。
そではマルチーズはどうなのか、これを今回じっくり性格から何から解説していきましょう。
マルチーズの基本スペック
マルチーズは純白の毛色に愛らしい見た目とともに、育てやすく優しい性格なことから古くより人気のある犬種です。
歴史から迫ると、フランスの王政時代の貴婦人たちにとても可愛がられています。
名前のルーツはイタリアのマルタ島に持ち込まれた可能性があるとして付けられました。
日本ではマルチーズを略して「マル」の愛称で呼ぶ方も多く、古くは地中海中部の港や海事都市でネズミなどの害獣退治に使われていました。
マルチーズの成犬の平均体高はオスが21~25cm、メスが20~23cmとされており、体重は3.2kg以下、理想は2.5kgといわれています。
表面上だけを見ると、「性格が悪い」という理由が嘘だと思えてしまうのではないでしょうか。
マルチーズの表の性格
まずは表面上に出ているヨークシャテリアの性格を掘り下げていきましょう。
いわゆる顕在意識の部分なので、人気の秘訣として分かりやすいです。
活発
上記していますが、元々ねずみ取りや害獣退治に用いられていたので体力があって疲れを知らず活発、遊ぶことが大好きです。
散歩に出すと結構早足で歩くので、リーダーウォークはしっかり行い、また遊びもきちんとやってあげましょう。
とても前向きで活発なので飼い主の指示やしつけに素直に反応してくれるのがとてもいいところです。
ただ、若干やんちゃさが過ぎる部分もあるので、余りいたずらを見過ごさないようにしてください。
放っておくと、次々に家の中や外でも悪さをするようになるので、その辺りはバランスが大事になります。
穏やか
基本的にマルチーズはとてもおだやかで温厚な性格であり、飼い主への忠誠心が強く飼い主や家族に怒ることはほとんどありません。
ドッグフードなども必要以上に強請ることもないですが、逆に言うと番犬には不向きです。
基本的に平和主義で争いを好まないので、むやみやたらと威圧したりしないでくださいね。
子犬期に言うことを聞かなかったからといって、厳しさを履き違えた折檻をすると性格がねじ曲がってしまいます。
犬は決して飼い主の都合のいい道具ではありません。
社交的
マルチーズは愛玩犬としての歴史が長いため人懐っこく社交的でとても明るい性格で、人間が大好きなのでどんな人にもなつきやすいです。
人見知りをしないので外に出ても威嚇したり噛みついたりすることはなく、また来客に対しても野蛮な行為には及びません。
とはいえ、この性格に関しては半分くらい意図的にやっている、すなわち「いい犬」を演じている可能性もあります。
親しみやすいからといって迂闊に近づくとやられる可能性があるので、なるべく適度な距離感は保ちましょう。
犬が社交的とはいっても基本的に縄張り意識が強いので、よそ者に対しては排他的な対応を取ります。
マルチーズの裏の性格
今度はヨークシャテリアの裏の性格、すなわち潜在意識を見ていきましょう。
表面上可愛らしいマルチーズですが、「性格が悪い」と言われる根拠が以下にあります。
狡賢い
飼い主の感情に敏感に反応するので、飼い主の高度や感情をよく見ており、とても賢いです。
このため、しつけやトレーニングが入りやすくよく従いますが、決してその表面的態度に騙されてはいけません。
留守番をさせるとオシッコやイタズラで飼い主を困らせて気を引こうとするという意地悪な面があります。
これが「親しみやすいからといって迂闊に近づくとやられる」と書いた理由です。
場合によってはタチの悪い行いをすることもあるので、是非その面は気をつけて下さい。
大胆
マルチーズは「マルチーズ・テリア」と呼ばれていた時期もあるように、テリア種の大胆で気が強い一面があります。
ときには自分より大きい犬に向かっていったり、飼い主を守ろうとしたりすることもある程です。
そう、愛らしいからといって近づくと思わず突進を食らったり、噛まれたりすることもあります。
小型犬なのでまだ可愛らしいレベルですが、この見かけによらぬ大胆さで思わぬ爆弾を投下されるでしょう。
これは他の犬や人間に対して行われる可能性があるので、なるべく距離を空けて接してください。
甘えん坊
マルチーズは飼い主に対し甘えん坊で、どこに行くにもついて来たりなど健気に愛情表現をします。
しかし上に挙げたように、これは自分の我が儘を通りやすくする為の作戦として利用しているのです。
甘えん坊だからといって決して甘やかすことなく、しっかりしつけを行ってくださいね。
我が儘を聞きすぎると、飼い主を見下してマウントを取ってしまい主従関係が逆転します。
愛らしい性格はあくまでも気を引くための処世術であることを忘れてはいけません。
なるほど、これらを総合していくとそれは「性格が悪い」という評判にもなるわけです。
マルチーズを飼う際の注意点
ここまででマルチーズの性格が悪いと言われる根拠が分かって頂けたかと思います。
それではそんなマルチーズをどうやって飼い慣らせばいいのかポイントを説明しましょう。
しつけにはメリハリをつける
まずしつけを行う際はメリハリをつけ、必要上に甘やかしすぎないよう飴と鞭は上手に使い分けましょう。
バランスとしては飴が4割、鞭が6割位で丁度良く、甘やかしすぎない調節が大事です。
褒める時は褒め、悪い事をした時はしっかりと叱り、遊ぶときはしっかり遊んであげてください。
基本的に「褒めて伸ばす」方針ですが、マルチーズの場合多少の叱咤がある位が丁度いいでしょう。
ここの線引きがしっかりできていなければ噛み癖や吠え癖がついた悪い子になってしまいします。
犬は決して「友達」ではないので、あくまでも別種の生き物であるという認識は大切です。
トイレトレーニングを完璧に
マルチーズの場合は特にトイレトレーニングを執拗なまでに叩き込んでください。
小型犬の性質上室内で飼われることが多いので、トイレトレーニングが出来ていないと家中に排尿をする可能性があります。
場合によってはマーキングすらも行って飼い主の気を引こうとするので、絶対にそれは阻止しましょう。
どうしてもトイレトレーニングが上手く行かないのであれば、お金はかかりますが預かり訓練で鍛え直して貰うのも手です。
飼い主も片付けが大変ですし、お互いにいいことがないので絶対にトイレトレーニングは怠らないでくださいね。
吠え癖や噛み癖は徹底して矯正する
マルチーズはもともと穏やかな性格で鳴いたり吠えたりすることはないのですが、個体やしつけ方次第ではこれらを行うこともあります。
子犬の頃はほとんど吠えないため非常に飼いやすいのですが、成犬になると縄張り意識が芽生えて急に吠えだすような、繊細で気が強い子もいます。
また、危険から守ろうとする性質があるので、吠えて威嚇するという場面も少なくありません。
小さい頃から人や他の犬とコミュニケーションをとらせるなどして、音に慣れさせることも必要です。
これらの症状が出た場合は専門家とよくご相談の上で性格の悪さが行動に出ないようにしましょう。
以下にこれらを徹底できるかマルチーズ育成の鍵となります。
マルチーズがかかりやすい病気
マルチーズは以下の病気にかかりやすい傾向にあります。
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 皮膚炎
- 白内障
まず僧帽弁閉鎖不全症は心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁と呼ばれる弁が閉じなくなり、血流が逆流してしまう病気です。
症状が進行すると咳が出たり、運動することを嫌がったり、食欲不振などが見られますのでチュウしましょう。
次に皮膚炎ですが、トリミングを怠ると被毛の通気性が悪くなり、皮膚炎を引き起こすことがあります。
痒みや湿疹などの症状が出ている箇所を掻いたりしてしまうと、どんどん悪化してしまうため早めに受診することが肝心です。
白内障に関しては加齢に伴って発症することが多いですが、詳しい原因は解明されていません。
目が白っぽく濁ってきたり、物にぶつかりやすくなったりなどの症状が現れますのできちんと定期検診を受けさせてください。
まとめ
マルチーズはペットとしては小型犬でもとても人気があり、見た目は丸くて甘えん坊のような性格です。
しかし、上記してきたようにその甘えん坊は処世術であって、決して本質的な性格ではありません。
あくまでも内面は勇敢で獰猛な部分を持ち合わせている肉食系なので、親しみやすいからといって気を抜かないでください。
外の評判以上に実態はかなり悪いので、こういう所をしっかりできるかどうかが大事になってきます。
見かけと中身のギャップが悪い目立ちすることのないよう、普段からのしつけを徹底しましょう。