国内外を問わず人気とされている犬種の筆頭であるヨークシャーテリア。
日本でも多くの愛犬家に愛されていますが、その性格はどうなのでしょうか?
これまで紹介してきた犬種の中には表と裏のギャップがあるものもありました。
今回はヨークシャー・テリアの性格の裏表を中心にヨークシャテリアがどんな犬かを見ていきましょう。
これからお飼いになる方にも是非ご検討頂きたい所です。
ヨークシャテリアの特徴
ヨークシャテリアと言えば、美しい被毛に快活で元気な性格が魅力的で、「動く宝石」とも呼ばれています。
平均寿命平均寿命は14年~16年で、一般的に長寿とされる小型犬の中でも特に平均寿命が長い犬種です。
平均体重が2kg~3kg、体高が15~23cmほどで、チワワに次ぐ小型犬という特徴になっています。
当初は大きめのヨークシャー・テリアもいましたが、交配が進められ犬種として安定していく中で小型化されていきました。
元々は倉庫や工場などでネズミを捕るための犬としてイギリスで誕生した犬種です。
ヨークシャテリアの表の性格
まずは表面上に出ているヨークシャテリアの性格を掘り下げていきましょう。
いわゆる顕在意識の部分なので、人気の秘訣として分かりやすいです。
勇敢
まず基本の性格はとても勇敢で、負けん気が強く誇り高き性格です。
見た目は愛らしいくアイドル然としていますが、内面は凄く芯が強く大型犬相手にも立ち向かっていきます。
たとえるなら少年漫画の王道主人公、「ドラゴンボール」の孫悟空や「ONE PIECE」のモンキー・D・ルフィでしょう。
直情径行ではなく理性的なのですが、意志力がとても強くここぞという所では絶対譲りません。
小さいながらにして王者の風格を備えており、番犬としても向いているのではないでしょうか。
非常に頼もしい性格なので安心してしつけが行えるのが最大の強みです。
賢くて理知的
2つ目にその勇敢さに見合う理知的で賢い部分もあり、非常に合理主義的な性格であると言えます。
無駄を嫌うので、飼い主の指示やしつけを一発で理解して本質を見抜き即座に実践するのです。
生まれもっての天才肌ともいえ、ある意味ではとても浮世離れした存在に見えるかも知れません。
本能的に自分がどういう行動を取ればいいのかをしっかりと分かっているのではないでしょうか。
「動く宝石」と言わしめる魅力は何よりも内面のこの天才肌の部分にあるのでしょう。
この部分を理解してあげると、とてもしつけがやりやすくなることを覚えておいてください。
社交的で人見知りしない
そういう勇敢で理知的な性格から社交的なタイプが多く、人見知りをしないといわれています。
人懐っこく甘え上手な愛玩犬で、甘えの駆け引きがうまく小悪魔ともしばしば呼ばれますが、シーズーのような狡賢さはありません。
とはいえ、どちらかといえば自分から絡みに行くのではなく、向こうから来るのを待つタイプでしょう。
基本的には淡々とした性格なので、攻撃的な面も普段はそんなに多く目立つわけではありません。
正に天性の勇者タイプであり、人なつっこいながらも決して媚びないところが強みですね。
ヨークシャテリアの裏の性格
今度はヨークシャテリアの裏の性格、すなわち潜在意識を見ていきましょう。
一見凄く格好いい勇者タイプですが、その分問題点もまたあります。
しつけ方を間違えると凶暴に
生粋の天才タイプですが、反面しつけ方を間違えると一気に凶暴な悪魔となってしまいます。
勇敢な性格ですが、その分両極端な性格でもあり「英雄か悪魔か」のどちらかしかないのです。
意志力の塊なので常に裏にある破壊衝動と戦いながら生きているので、しつけは気をつけて下さい。
子犬期にしっかりしつけが出来ていないと飼い主を舐めてかかるので、舐められないように威厳を示しましょう。
暴れ馬の一面もあるので、無駄吠えや噛み癖はしっかり小さい頃に矯正しておくことが大切です。
命に対してドライ
とても賢く理知的ですが、裏を返せばとてもドライな性格であると言えます。
本気でぶっ潰そうと思った相手には一切の情け容赦をかけることをしません。
普段滅多なことで怒らない分本気で怒らせたらそれだけ怖いのです。
元々ネズミ駆除用に飼われていたので、敵だと認識したものには容赦がありません。
そう、本気で怒るととても攻撃的な面が目立つので注意して下さい。
甘やかしすぎると我が儘に
とても甘え上手な性格ですが、甘やかしすぎると我が儘な性格に育ってしまい手がつけられません。
勇気を無謀と履き違える一面も見られ、最悪の場合家中を荒らし回ってしまう子に育ちます。
小型犬だからといって甘く見ていると、痛い目に遭わされるタイプなので気をつけましょう。
甘え上手な性格ですが、その分甘い顔を見せておいて至近距離でクリティカルな攻撃を食らわせます。
その暴走癖が出ないように、しっかりしつけをして言うことは素直に聞かせて下さい。
飼う際の注意点
さて、以上を踏まえた上で飼う際の注意点を述べておきましょう。
攻撃的にならないようにする
まず、攻撃的にならないようにしっかりとしつけをしておいてください。
特に子犬期のしつけを徹底的に行わないと我が儘で暴力的な成犬になってしまいます。
プライドが高いため、叱るようなしつけも絶対にNGであり、褒めて伸ばすようにしましょう。
勇敢なタイプほど自己肯定感を高めることが非常に大事になってきます。
ここでどれだけしつけがしっかり出来るかで後々大きく影響するでしょう。
夏冬の対策をしっかり行う
ヨークシャテリアにとって冬の寒さは大敵ですので、真冬は絶対に温度調節をしっかり行って下さい。
室内では、自然と暖房を付け暖かい状態にし、外出時は正午の温かい時間に出かけるようにしましょう。
動きやすく着脱しやすい服を選んであげるようにしましょう。
また、ヨークシャテリアは寒さだけでなく、暑さにも強い犬種ではないため熱中症の危険も考えられます。
そのため、できれば夏場は毛を短くカットしてあげるのが良いでしょう。
夏の散歩は冬とは逆に早朝や夕方におこなうようにしてください。
飼い主の対策がどれだけしっかり出来ているかで子犬の今後が決まってきます。
良質なドッグフードを選ぶ
ヨークシャテリアに限ったことではありませんが、必ず良質のドッグフードを選ぶようにしてください。
ドッグフードの選び方の基準などはこちらの記事で詳細に解説してありますので、参考までに。
ただし、ヨークシャテリアはその性格上とても食いしん坊でもあるので、必要以上に与えないようにしましょう。
欲しがっているからといって甘やかして与えると、簡単にメタボになりやすかったり、骨盤系の病気にかかりやすくなります。
下痢が多いようなら今食べているドッグフードが合っていない可能性が高いと言えますし、極端な軟便や硬便の場合もドッグフードが合っていない可能性が考えられます。
かかりやすい病気
ヨークシャテリアのかかりやすい病気は大体以下の2つです。
- 膝蓋骨脱臼
- 気管虚脱
膝蓋骨脱臼は後ろ脚の膝蓋骨が正常な位置からずれてしまうという小型犬全般に見られる病気のひとつです。
たまに足を浮かせながら歩くようになると、膝蓋骨脱臼の可能性が高いと言えます。
この段階では、ヨークシャテリアが脚を伸ばすことで自然に治ることもあるので心配は要りません。
しかし、だからといって放置すると治してもまた脱臼するという「脱臼癖」がついてしまう恐れがあります。
また、気管虚脱は気管が押しつぶされ空気の流れが悪くなった状態を指します。
症状が悪化すると呼吸困難やチアノーゼを引き起こし、最悪の場合は後遺症や死亡に至ることも珍しくありません。
気管虚脱の疑いがある場合はすぐにかかりつけの動物病院に相談するようにしましょう。
ヨークシャテリアの場合は遺伝的な原因もあるためこれらの病気を予防することは難しくなっています。
必ず定期検診に連れて行って大丈夫かどうかをチェックして貰って下さいね。
まとめ
ヨークシャテリアはその宝石のイメージとは裏腹に内面はとても芯が強い犬種です。
とても頼もしいですが、見かけの愛らしさに騙されて飼ってみたら手がつけられないということもあるので気をつけましょう。
単なる造形美を超えた内面の部分に真の魅力があるのですが、その分並の飼い主では面倒が見きれないのも確かです。
飼う際には慎重に情報入手を行い、専門家とも相談の上でしつけを行って下さい。
表のイメージが良さそうだからと安易に飼ってしまうのは決して得策ではありません。