犬のしつけ「ふせ」は何の為?意外と知らない「ふせ」の重要性を解説

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ふせ

前回の記事では「おすわり」について解説してきました。

今回はその「おすわり」とは少し違う「ふせ」について解説していきましょう。

また、飼い主が指示もしていないのに愛犬が伏せをすることはないでしょうか?

犬の本能的な気持ちから発する意味と主従関係から考えた伏せをする意味も見ていきます。

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「ふせ」を覚えさせる意義

そもそも、なぜ伏せを覚えさせる必要があるのでしょうか?似たような「待て」や「おすわり」があるというのに。

色々ありますが、一番の意義は「リラックス効果」にあり、これが犬にとっては大きいのです。

例えばおすわりを使うと、動き回る犬をそのままにせずにお尻を地面に付けさせることでその場にいさせられます。

さらに、「待て」をさせる場合も、お座りよりも伏せのほうがリラックスできるため、犬にとってもメリットが大きい姿勢でもあります。

おすわりよりふせの方が動くまでに動作が必要なため、より突発的な動きを抑制することができるのです。

ふせはカーミングシグナルの一つ

皆さんは「カーミングシグナル」という言葉をご存じですか?分かりやすく言えば、犬のボディランゲージのことです。

ノルウェーのトウリッド・ルーガス氏がカーミングシグナルという落ち着きをもたらす信号が27つあると発表したものの一つにふせが含まれています。

ふせをすることで自分自身の気持ちだけでなく、相手の気持ちも落ち着かせる、つまり犬同士がお互いにストレスを抱えないようにする手段でもあるんですね。

因みに「ふせ」はしつけ以外にも犬の普段の癖として出ますが、その時は以下のサインです。

興奮を落ち着かせる

興奮しすぎた自分の気持ちを鎮め、ひとまず落ち着かせるという意味が含まれています。

指示をしていないのにふせをするとき、大抵他の犬などと遊んでいて興奮してきたことに気づいたときや誰かが来てはしゃいだ時です。

敵意がないことを示す

愛犬がお散歩の途中で他の犬と出くわしたときに伏せをすることもあるでしょう。

その場合は敵意がないというニュアンスのサインを伝えているのです。

他の犬はどんな子かな?けんかしたくないという危険回避の気持ちの表れでもあるのです。

犬の上下関係に関わりなく見られる強い意味のカーミングシグナルであることを覚えておいてください。

平常心を保つ

欲しいものが目の前に現れ、待ちきれなくてウキウキする気持ちをなんとかセーブして落ち着かせようとしています

犬なりに平常心を保とうとしているその様は何とも健気で可愛いです。

ご飯の前やお気に入りの誰かがやってきたときにも、よく見られるでしょう。

中にはごはんやおやつなどを目の前にして 嬉しい気持ちをセーブするために直視せずに目線をプイッとそらせる子もいます。

いわゆる「ツンデレ」という奴で、素直な気持ちを表現することへの照れ・恥じらいがあるのです。

服従心

ふせは犬にとって飼い主に対する服従を意味します。なぜなら、お腹を下につけ相手を見上げる伏せの姿勢は絶対的に服従しなければできない姿勢だからです。

伏せをしつけるのには根気が要りますが、愛犬と良い関係を築いていくためにはぜひトレーニングを早くから始めてください。

伏せは何か指示を与える時によくする「おすわり」とは違い、長時間待たせる時にすることが多いです。

きちんと伏せをして待つことができる犬は しっかりとトレーニングがされていて主従関係がきちんとしていると言えるでしょう。

時にマイナスの感情を表わすこともある

犬がふせをする意味として「あーあ、つまんない」という気持ちの表れのこともあります。

大体そういうときの犬の表情は諦めたような上目使いで退屈そうなので、直ぐに分かるでしょう。

犬がやりたいと思っていることができない場合や大好きな飼い主さんが外出から帰ってきて大喜びでお出迎えに行ったのに留守中のいたずらを叱られてしまった場合。

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また、よだれが出そうなときに他の犬や人間に先を越され食べられてしまったり、という状況になるとふて腐れの意味で態度でふせをします。

飼い主に叱られて伏せをしていると飼い主は「反省している」意味だと思いがちですが、本当は「あーあ、なんで機嫌悪いの?もうや~だ!」という意味です。

こういう態度の時はマイナスの感情が表現されており、確実に良くないので早急に解決してください。

犬に「ふせ」を覚えさせるコツ

では、そんな犬の「ふせ」を教え覚えさせるコツを具体的に解説していきましょう。

集中できる環境を作る

まず、練習場所となる室内を片付けましょう。床に転がっているおもちゃなどを整理しましょう。

兎に角大事なのは犬と飼い主がトレーニングに没頭出来る環境作りです。

事前にしっかり仕込みを行い、集中出来るようにすることでいい結果が出せます。

逆に言うと、散らかった部屋や環境では犬は絶対に「ふせ」を覚えてくれません。

手の合図を教える

伏せの「手の合図(右手を地面に向かって真下に下げる指示)」を教えてください。

まず左手の中に10粒のおやつをにぎる、犬の正面に座って犬に「おすわり」をさせます。

左手の中から1粒のおやつを右手に取り、右手を犬の鼻先に近づけましょう。

右手のおやつをなめさせながら、犬の鼻先から地面に向かって真下に動かします。

この手を下に下げる動きが「ふせ」の手の合図となることを定着させましょう。

出来たら褒める

犬が床にお腹をつけたら、「いいこ」と言って、すばやく右手のおやつをあげてください。

跳びついたり、前足で右手を引っかいたりしてきても、動かずに待つのがポイントです。

ふせをしたときだけ反応してあげることで、ふせをすればいいことがわかります。

逆にふせ以外の動きに反応すると覚えられないので避けましょう。

また、おやつやおもちゃは絶対に習慣化しないようにしてください

何度も反復練習で定着させる

これが一番大事ですが、一度覚えたら兎に角何度も反復練習で定着させましょう

何度も何度も飽きるほど繰り返し行ってこそやっと実践でも役立つものとなります。

一回覚えたからといって、それで油断していると上手く行かなくなるでしょう。

そこは心を鬼にして何度も何度も繰り返し行わせることで精度が上がっていきます。

この基礎をどれだけ徹底的にやりこんだかが大事なのです。

犬がふせをしなくなった場合

犬にしつけとしてとらせる行動の中でもふせは特に主従関係が必要ですので、もしふせをしなくなったら何かが原因で関係が微妙になっている可能性があります。

また、主従関係とは全く違う理由でしないことがありますが、そんな時は周囲にいる人や他の犬との空気が乱れそうになっていることが多いでしょう。

不穏な空間で普段できている伏せをしなくなった場合、たいていは地位の低い犬がしなくなるようです。

地位が高い犬の場合は空気を読み逆に伏せをして、周りを落ち着かせるというやり方をする習性があるからに他なりません。

犬はいろんなことを察知して行動を取るので、よく観察してみてください。

まとめ

犬が「ふせ」をするのには様々な意味があり、話せなくても「ふせ」のやり方やその他の行動でメッセージを伝えてくれているのです。

飼い主が愛犬の行動から気持ちを読み 把握していれば、犬がストレスや不安を感じる前に解消してあげることができるかもしれません。

飼い主と犬は主従関係ではあるものの、決して一方的な関係ではなく常に二人三脚で歩んでいくものです。

おすわりや待てと並んで完璧に叩き込み、しつけのしっかり出来た格好いい犬へ育て上げてください。

全ては健康的なペットライフを送れるようにするためであることを忘れないようにしましょう。

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