さて、ここまで数々の記事を書いてきましたが、ここで一度初心に帰ってみましょう。
しつけの基礎基本は解説していますが、ここでは復習も兼ねてしつけについてもう一度洗い直します。
応用の知識ばかりを見ているとついつい基礎基本の足下が疎かになり、忘れてしまいがちです。
その犬のしつけですが、最初の方の記事で「なるべく早い方がいい」と書きました。
しかしそれは子犬の段階で引き取ればの話であって、中には成犬の段階で引き取る飼い主も居るでしょう。
そこで今回は犬のしつけは何歳まで行うべきか、また成犬で引き取ってもしつけは出来るかを検証していきます。
犬のしつけの期限に決まりはない
結論からいえば、犬のしつけに期限などはなく、死ぬまで一生続くと思ってください。
確かに子犬期のしつけが大事とは書きましたが、だからといって成犬になればそれでお終いではありません。
これまでの記事で書いてきたように食事療法や散歩・運動のやり方なども時期に応じて変化していきます。
途中までは上手く行っているように見える子でも成犬になって突然変な行動を取ることもあるのです。
犬だって決して出来の良いロボットなどではなく血の通った生き物であることを忘れないでください。
何歳になっても犬が亡くなるまで飼い主のしつけは続いていくのです。
犬のしつけが早いほうがいい理由
改めてここで復習がてら犬のしつけが早い方がいい理由を整理してみましょう。
幾つか挙げられますが、主たるものは以下の3つです。
無邪気で純粋
まず子犬は無邪気で純粋であることが理由として挙げられるでしょう。
余計なものがないから教えてあげれば何でも素直に吸収する生き物です。
理性ではなく感覚で動く
子犬は理性ではなく感覚で動くので、言ったことがあっさり理解出来ます。
子犬だからと甘く見ていると、あっさり物事を吸収してどんどん覚えていきますよ
反発が怖くない
3つ目に反発されても体つきが小さいのでそこまで怖くないことが挙げられます。
成犬になると体が大きいので反発されるのが怖い時がありますが、子犬期はそれがありません。
育て方次第で白くも黒くもなるのが子犬であることを自覚してください。
成犬でもしつけは出来るのか?
ここまでは「子犬期から育て場合いつまでしつけを行えば良いのか?」を述べてきました。
次は趣向を変えてもし成犬で引き取った場合にしつけが出来るかを検証していきます。
いくつになってもしつけは可能
答えは勿論成犬になっても出来ます。成犬になってからしつけができないということはありません。
ペットショップで引き取った犬の中には成犬も沢山居ますし、捨て犬なども同じです。
それでも、毎日地道に繰り返すことで1か月後くらいにはマスターします。
名前もしっかり覚えて、呼んだら来れるようになり、何だかんだいって順応するものです。
ただ、子犬との違いで言えば覚えるスピードに若干差がある位ではないでしょうか。
大事なのは飼い主の我慢強さ
若い子の方が覚えが早いのは人も同じですねは、歳をとっても何度も繰り返し行うことで、確実に覚えていきます。
「若いもんには負けてられない!」なんて犬も思っているかもしれません。
一度でできるよりも、何度も反復して体に染み込ませることの方が忘れないでしょう。
大事なのは何度も出来るまで諦めずにやり遂げる根性と我慢強さです。
犬の性格次第
成犬の場合特に難しいのは子犬期に形成された性格が余りにも気難しい場合です。
例えば子犬期に社会化がなされまいまま育った成犬を引き取って育てた結果手がつけられない性格になったチワワもいます。
チワワはそのかわいらしさに反して性格が頑固だという話はこちらの記事でもしましたが、育て方次第では横暴にもなるのです。
この場合どんなに懐かせようとしてもかえって逆効果となり、更に追い詰める結果となってしまいます。
成犬のしつけが上手く行くかどうかは犬の性格や育ってきた環境なども大きく影響するでしょう。
「戦う」のではなく「見守る」
しつけを行おうとしていつの間にか子犬や成犬と「戦っている」などということはありませんか?
あれこれ仕込もうとする内にいつの間にか犬に自分の価値観を押しつけてしまっていたら注意です。
飼い主は犬を「育てる」ために飼うのであって「戦う」為に飼うわけではありません。
ここを履き違えて偏ったしつけ方をするととんでもなく悪い成犬に育ってしまいます。
特に幼少期に受けたトラウマから心に余裕がなく虚勢を張っている犬も沢山いるのです。
大事なことは何よりも「見守る」ことであり、決して個性を否定したしつけをしないようにしましょう。
まとめ
犬のしつけやトレーニングはできるだけ若い年齢のうちから教える方が楽ではありますが、成犬でも遅くはありません。
時間はかかるかもしれませんが、少しずつでもよくなっていくでしょう。
でもだからといって必要以上の押さえつけるような厳しい折檻じみたことをしてはいけません。
犬はあくまで「機械」や「人形」ではないのですから、育て方一つで大きく変わってくるのです。
何歳から何歳までという常識や偏見・色眼鏡で見ることなく真剣に向き合ってあげてください。