さて、犬のトイレトレーニングの記事もだいぶ回を重ねてきました。
今回は犬のトイレトレーニングの本格的な応用編へ移っていきましょう。
基礎基本は教わったとはいえ、それだけで犬のしつけが完璧に出来れば世話はありません。
実践の具体的なテクニックとしてABC理論やその他細かい犬のトイレトレーニングの裏技を徹底解説していきます。
ABC理論
ABC理論とはアルバート・エリスによる論理療法におけるカウンセリング理論です。
具体的には「人間の感情=C(Consequence)は出来事=A(Affair、Action)によって直接生じるものではなく、その人独特の受け取り方=B(Belief)によって生じる」という理論のこと。
まず幾つか具体的な例を見てみましょう。わかりやすく人間の例であげてみると、例えば上司に怒られた人がいます。
例えばある人はこんな受け取り方をしました。
- A:Action(行動)上司に怒られた
- B:Belief(受け取り方)自分はダメなやつだ、嫌われているのかも
- C:Consequence(結果・感情)落ち込む
しかし一方である人がこのような受け取り方をしたとしましょう。
- A:Action(行動)上司に怒られた
- B:Belief(受け取り方)自分は見込みがあるからだ、次はがんばろう!
- C:Consequence(結果・感情)やる気がでる
A「上司に怒られた」は変わらないのに、C(結果・感情)はまったく違うものになります。
それは受け取る側の考え方が肯定的か否定的かで受け取り方が完全に違ってくるからです。
犬のしつけにおけるABC理論の応用
これを応用して、たとえば犬におしっこをされるというケースをABC理論でみてみると以下のようになります。
- A:Action(行動)かまってオシッコをされる
- B:Belief(受け取り方)めんどくさい
- C:Consequence(結果・感情)困る
一方でこのような受け取り方もあります。
- A:Action(行動)かまってオシッコをされる
- B:Belief(受け取り方)かまってほしいなんて、なんて可愛い!
- C:Consequence(結果・感情)嬉しい
犬におしっこをされるという行動は変わらないのに、それをされた結果・感情は受け取り方1つで全く違ったものになるのです。
この二つのケースの場合、どちらが幸せな雰囲気があるかというと、言うまでもなく後者でしょう。
しつけは飼い主自身の成長のチャンス
何が言いたいのかというと、つまり、飼い主の受け取り方1つで犬が幸せになれるし不幸にもなれるということです。
だから犬が排泄を失敗することを決して「悪いこと」だと思わずに「成長のチャンス」だと前向きに捉えてください。
その潜在意識の変化は思考や行動になって現われ、犬はそうした飼い主の意識を凄く敏感に感じ取ります。
逆にいえば、ここで「めんどうくさい」という後ろ向きの心持ちになるようであれば犬は飼わない方がいいということです。
特に日本という国は自己肯定感の低い国なので、飼い主の家庭環境などでペットのしつけにも後ろ向きさが出てしまいます。
そうならないように、普段から心構えを行い思考をクリアにしておきましょう。
トイレトレーニングの裏技
ABC理論を説いた上で、今度は実践的なトイレトレーニングの裏技を紹介していきましょう。
室内トイレのしつけ
食事を利用
食事の水分量を増やして排泄の回数を増やせば、室内トイレを教えるチャンスも増えます。
ドッグフードなら鶏ガラスープなどをかけて、手作り食ならリゾットやスープゴハンにして与えましょう。
水分を摂りすぎて体調をくずす心配はほとんどありませんがが、心配な方は獣医師に相談してください。
マーキングを利用
よくマーキングをする犬におすすめの方法ですが、他の犬のオシッコをトイレシートで吸収して自宅に持ち帰り、愛犬のトイレの場所に敷いてください。
他の犬のオシッコにマーキングをかけたくなる犬の習性を利用するという手で、愛犬のオシッコでもOKです。
ベランダを利用
室内と屋外の中間のようなベランダもトレーニングに利用できます。
外→玄関前→玄関のたたき→上がりかまち→部屋、という順番ですが、外→玄関前→ベランダ→部屋、という順番でも成功する可能性が高いです。
トイレの立地条件
室内トイレの成功が近づいてくると、設置場所に悩む方がいるかもしれしれません。
そんな方のためのトイレの立地条件ですが、好きな時に自由に行けて、くるくる回ったり動いたりできる余裕が必要です。
リビングやキッチン、廊下の隅辺りが無難であり、人のトイレと並べて置く場合は犬が自由に行けるようにドアは開けておいてください。
もし犬が自由に行くことができない場所にトイレを置きたい時は、室内トイレの失敗がなくなって完全に定着してからにしましょう。
室内トイレの習慣がついていれば、排泄したくなった時にアピールをするのでそれを見逃さないように気をつけることが大切です。
トレーとシートを選ぶ
トレーニング中はスーパーワイドサイズ(90 ㎝×60㎝)のトイレシートとトイレトレー、人工芝を使った方が成功率が上がります。
また、トレーは室内トイレの範囲がわかりやすい形状で、入り口と上部以外が覆われている囲い付きタイプが良いでしょう。
しかし、中型犬以上のサイズは少ないので段ボールなどで囲ってみましょう。また周囲が少し盛り上がったフラットタイプもおすすめです。
足を上げる犬には囲い付きとL字タイプがよとく、L字はトレーがない方に向かって排泄する場合もあるの、囲い付きが無難になります。
トイレシートは大きさが大切で、犬の体長(鼻先からシッポ)より長いものを選ぶようにし、柴犬ならワイドサイズが理想です。
糞の対策も忘れずに
最後にもう一つ、もうひとつの排泄物糞を忘れずに述べておきましょう。
糞はは尿に比べてハードルがとても高く、1日1~2回なので教える機会が少ないのです。
ウンチとオシッコの号令を分けて教えていても、犬は『排泄の号令』として認識しているので出したい方を排泄します。
この習性を利用し、糞もまた排尿と同様の教え方で統一してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の記事はABC理論を中心に犬のトイレトレーニングの裏技について解説してきました。
しかし、本当にトイレトレーニングを成功させるコツは兎に角飼い主が試行錯誤で掴み取るのが確実です。
どんなに周りがあれこれ言ったところで、それで簡単に犬が育つなら苦労はありません。
しかし、どんなに苦労したとしてもそれを決して犬へのストレスの捌け口にしてはいけないのです。
それを行った瞬間にあなたは毒親ならぬ毒飼い主になってしまい、犬から嫌われてしまいます。
犬と飼い主とは二人三脚でゆっくりやっていく他はないので、兎に角あれこれ試していく中で編み出した裏技が1番でしょう。