こちらの記事で犬のトイレの平均回数の話を解説しました。
犬のトイレ回数が多すぎるのも問題ですが、逆に少なすぎて我慢してしまうこともまた問題です。
飼い主にとっても犬にとってもトイレを我慢することはあまり嬉しいことではありません。
そこで今回は犬がトイレを我慢してしまう理由と対策を細かく解説していきましょう。
犬が排泄を我慢する理由
愛犬が排泄を我慢してしまう理由は決して1つではなく、様々な要因が絡んでいます。以下具体的に解説していきましょう。
環境の変化
これまでの記事でも何度か解説したと思いますが、犬はそもそも環境の変化に適応しにくい生き物です。
車に乗っている時やお留守番をしている時、知らない家に招かれた時、また引越しでわんちゃんの住処が変わってしまった場合など。
新しい場所ではどこをトイレにすれば良いか分からない為に室内でトイレが出来ない愛犬もいるでしょう。
安定したもの、不変のものを求める犬にとって決していい変化とは言えないのです。
飼い主に叱られる恐怖
家でトイレの練習をした時に飼い主さんに叱られて「家の中ではトイレをしてはいけない」と錯覚してしまうこともまた原因の一つです。
人間と同じ感覚でしつけをしてしまうと犬は萎縮してしまい恐怖に怯え身動きが取りづらくなってしまいます。
犬は兎に角自身を押さえつけようとするものが大嫌いな生き物なので、飼い主のしつけが縛りとなることもあるでしょう。
ニオイ・足の感覚でトイレを覚えている
多くの飼い主は、愛犬に「ここがトイレだよ」とトイレを指さしたり実際にそばまで連れて行って教えていることでしょう。
しかし、実は愛犬は目の情報ではなく飼い主の足のにおいでトイレを覚えようとしているケースがあるのです。
また、トイレ以外での失敗が続くと、その場所におしっこのニオイが染みついてしまいます。
嗅覚が鋭い犬は、その匂いでトイレと判断してしまっているのかもしれません。
犬はどこでも排泄を行う
マーキングの記事でも述べましたが、犬は本来室内と室外を問わず排泄をどこでもする習性がある生き物です。
トイレの場所を決めてトイレをさせるというのは人間の勝手な都合でしかありません。
ですので、少々粗相をしても叱りすぎず、気長にトレーニングしていくことが大切です。
また、子犬期はトイレの回数も多くトレーニングもしっかり行われていない時にはトイレを我慢したりします。
愛犬がトイレを失敗してしまうのには、実は人間の感覚では気が付けない原因があったのです。
これからトイレを教える子犬と、既に大きい成犬では原因が異なります。
排泄を我慢する時に見せる仕草
トイレを我慢している時に見せる犬の仕草を幾つか紹介していきましょう。
- それまで普通だったのに急にくるくる回り始める
- 後ろ足がいつもと違う動きをしている
- 床の匂い嗅ぎ始める
- 自分のお尻が気になる
- 飼い主の方をじっと見て訴える
こんな仕草をしていたら、愛犬はトイレをしたいのかもしれません。室内外を問わずそのサインを見せてきます。
散歩に出かけると突然くるくると回り始めることは一度は見たことがあるのではないでしょうか。
この行動は安心してトレイができる場所かどうかを見極めており、くるくる回り始めたらウンチがでる前段階です。
素早くトイレシートを敷いてトイレをさせてあげるか、室内の場合はトイレまで連れて行ってあげましょう。
トイレを我慢する犬への対策
それではこれらを解決させるための対策を述べていきましょう。
合図を覚えさせる
お散歩をすると殆どの犬はトイレをするので、そのタイミングでクリッカーや声かけをするとトイレの合図になります。
お散歩だけではなくトイレをするタイミングのときに必ず特定の合図を出すことを繰り返し使いましょう。
兎に角大事なのは一度覚えさせた合図を定着させることにあり、これが出来るかどうかで左右されるのです。
条件反射を利用する
特定の合図を繰り返すことで、さほどトイレをしたい気分でなくても、合図を聞くとトイレをしたくなるということになります。
パブロフの犬のように条件付けによって強制的に犬がトイレしたくなる環境を引き出すのです。
トイレをして良い場所で合図を出す
条件反射でトイレをすることを覚えたら、今度はやっていい場所でトイレをすることを促しましょう。
そうするとトイレをして良い場所でトイレができる回数が増えて、トイレする場所が固定されます。
当然のことですが、トイレをした後は匂いが残らないようにきちんと綺麗にしてください。
最後に褒める
トイレをしてほしい場所でできたら、犬は褒められることが大好きなので必ず褒めてください。
褒めることで、トイレはここですれば良いのだと学び、褒める=ご褒美はそれぞれの犬によって異なります。
遊びが好きな子だったら、トイレができたら少し遊んであげたりおやつが好きな犬ならおやつを与えるのが褒めることにつながります。
また、トイレをしてからボール遊びということを紐つけてもトイレをしやすくなるきっかけになるでしょう。
排泄を我慢しすぎると起きる病気
因みにこの犬がトイレを我慢する症状を放置しておくとどうなるのかを見てみましょう。
膀胱炎
まず膀胱炎(細菌に感染し、膀胱の粘膜に炎症が起きる)になるリスクがかなり高くなります。
膀胱炎になると、水分をたくさん摂取したわけではないのに、頻繁にトイレに行きたがるようになるのです。
室内で排泄をさせている場合、頻繁にペットシーツへ行きおしっこをするように座ります。
しかし、おしっこが出るまでに時間がかかってしまったり、ほんの数滴しか排泄することができないことがあるのです。
症状が悪化すると、尿をするときの痛みによって甲高く鳴くようになることがあり、最悪尿に血が混じるようになることがあります。
膀胱炎を発症すると、早期に自然治癒させることは困難ですので、すぐに病院へ行き診察と治療を受けさせてください。
尿路結石
2つ目に尿路結石(尿に含まれているミネラルが結合・結晶化することで、結石となる)のリスクが高まります
結石ができると尿に血が混じるようになることがあり、痛みによってと甲高く鳴くようになることがあのです。
さらに悪化して結石が尿路に詰まってしまうと、おしっこを出すことができなくなってしまう危険性があります。
このよう症状があるときは、尿路に結石が詰まってしまっている可能性が高いです。
症状があるにも関わらず尿路結石を放っておくと、尿毒症を発症してしまう可能性が高まるので、すぐに病院へ行き診察と治療を受けさせてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は犬が排泄を我慢してしまう理由について詳細に説明してみました。
兎に角大事なのは排泄が苦手であるというイメージを持たせないようにすることです。
犬の尿を放置しておくととんでもない病気にかかってしまいます。
いつでもトイレが出来る環境を用意しておき、しっかり対策を施して乗り越えてください。
常に犬の気持ちに寄り添うようにしていきましょう。