まずこちらの記事でサモエドの性格について詳細に解説しました。
しかし、そんな飼いやすさに反してサモエドの飼い主・ブリーダーは意外と少ないのです。
日本でも指で数えられるほどしかいないほど実は日本でサモエドは希少種扱いになっています。
今回はその理由や飼うときの注意点などを細かく解説していきます。
サモエドの絶対数は3桁
実は驚くべきことに、そもそも日本においてサモエドは3桁しかいないと言われています。
JKCに登録されている頭数は2016年12月時点で236頭という圧倒的な少なさです。
これはトイプードル76393頭やチワワ50405頭の数と比較すると2桁分も少ないことから希少種であることが明白でしょう。
まず一般のペットショップでは出回っておらず、普通の方法で入手することは出来ません。
分かりやすく言えば、表に出回っていないブランド物の限定品やオーダーメイドの品物と同価値と思ってください。
つまりそれだけ飼う為のハードルが非常に高く、飼える層が限定されてくるのです。
サモエドの飼い主・ブリーダーが少ない理由
サモエドは飼い主・ブリーダーが他の犬種と比べても圧倒的に少ないの決して頭数の少なさだけではありません。
様々な要素が複合的に絡み合っています。具体的に述べていきましょう。
お金がかかる
前回も述べましたが、あらゆる犬種の中でもサモエドは兎に角破格に維持費・飼育費が高く、多くの人はここで挫折します。
体が大きく食べる量が多いので排泄量も多くなり、またそれ故に食事代やペットシーツなどトイレグッズ代も高くなるのです。
移動の際に車が必要になるケースも多く、病院に掛かったときの医療費も高くなるででしょう。
これは処置の際に必要となる薬などが体重に比例して多くなり、富裕層以外が下手に飼うと自己破産しかねません。
購入費からして高く、ブリーダーから直接購入する場合でも最低30~40万円は必要で、ペットショップを通すと50万は下らないでしょう。
これに加えて月々のランニングコストもバカ高なので、他の犬種を飼うのとは次元が違うレベルの贅沢品なのです。
まかり間違っても稼ぎがそこそこの一般層の方々が気軽に手を出していい犬種ではありません。
時間に余裕のある人が少ない
現代社会においては不労所得で安定して稼ぎ仕事をそんなにしなくてもいい人でない限り、時間に余裕がない人が殆どです。
上記の経済的観点とも関連しますが、世の中にはキャッシュフロークワドラントというお金持ちの基礎知識があります。
具体的にはE=employee(従業員)、S=self employee(自営業者)、B=business owner(ビジネスオーナー)、I=investor(投資家)の4つです。
この中で富裕層と呼ばれる層の人達はB(ビジネスオーナー)かI(投資家)のどちらかに分類され、サモエドを飼える人達はほぼ例外なくこのゾーンにいる人達でしょう。
働かなくてもお金が循環するシステムを作り上げているこの人達こそ経済的にも時間的にも余裕のある人達です。
こういう人でなければサモエドを飼うことは到底不可能ではないでしょうか。
途中で飽きて面倒を見られない人が多い
全ての飼い主がそうだとはいえませんが、途中で飽きて面倒を見られない飼い主も中にはいらっしゃいます。
現に日本では犬猫の飼育放棄による殺処分が社会問題となっており、渡す側としても飼い主の性格の見極めは慎重にならざるを得ません。
まずサモエドを飼うのであれば本当に付きっきりで面倒を見て生涯を共に過ごす覚悟と決意が必要になるでしょう。
それ程の心構えがない人が安易に手を出していいペットなどでは断じてないので、気をつけてください。
手渡す側はそのことも踏まえてその飼い主がサモエドを飼うに相応しいかどうかをよく見ています。
サモエドを購入する際の注意点
このように飼うのに際して非常にハードルの高いサモエドですが、購入する際の注意点も解説していきます。
もしサモエドをご購入なさる場合は以下の点に注意して飼うと良いでしょう。
サモエド専門のブリーダーから購入する
サモエドの購入をお考えの場合は取り扱っているブリーダーを探す方が確実であり、まず情報収集から始めましょう。
一番良いのは友人や知人の紹介や伝手で知ることで、紹介制ならば比較的引き渡しや購入もスムーズかと思われます。
ブリーダーが見つかった場合は是非直接その人のところまで見ていってご自身の目でお確かめください。
有益な一次情報としてどのように育てれば良いのかや飼う際のコツ、費用に関するお話を直に聞くことが出来ます。
ブリーダーは特定の犬に関して幅広い知識を持っていますので、分からないことや疑問点があれば何でも聞いて解決できるでしょう。
購入して面倒を見る際にもその方の連絡先を聞いておいて、困ったことがあれば是非連絡・相談してみてください。
ブリーダーは飼い主さんのメンターにもなってくださいますよ。
里親制度で飼う
2つ目の方法がいわゆる「里親制度」によって飼うことですが、これでサモエドと出会えることはまずないでしょう。
里親制度は飼い主の勝手な都合で飼育を放棄された犬や街の中をさまよっている犬の命を保護する目的で行なわれています。
公の保護機関で保護されたり、民間の保護施設に保護されたりしている場合もあるのです。
その他の犬種や同じ大型犬に該当するゴールデン・レトリーバーなどは保護されています。
全ての犬の命を救うことはサモエドの子犬よりも価値があることだといえるでしょう。
ペットショップでの確率はほぼ0%
里親制度でも探すのが難しいサモエドですから、ペットショップで飼うことは尚更至難の業です。
まず普通の方法で探す・出会うことは不可能な犬種だと思ってください。
また仮にショップで出会ったとしても安易な購入は控えましょう。
プロのブリーダーに比べて、ペットショップの店員はサモエドの育成などに関して専門的知識などを持っていません。
購入するとなると上記したように50万以上はかかるので、ブリーダーから譲渡して貰うのが一番です。
やはり本当に価値あるものは相応の対価と信用・信頼がどうしても必要となります。
サモエドのブリーダーの実態
サモエドのブリーダーですが、現在判明している分でも指で数えられるほどしかいません。
その数少ない方々と出会うこと自体もまた大変で、ある意味東大合格よりも難しい狭き門です。
日本ではまだまだサモエドの頭数が少ないために家族として迎え入れることは難しい現状といえます。
そういう意味では選ばれし者だけに許された特権と言えるではないでしょうか。
まとめ
改めて今回はサモエドのブリーダーの実態についてより詳細に掘り下げてみました。
まず普通の犬を飼うのとは違う莫大な愛と時間とお金が必要であることを理解しておきましょう。
滅多なことでは表に姿を現さない希少種ですから、その購入方法も独特のルートを辿ります。
しかし、その高いハードルをクリアすればこれ程飼うのが楽しく嬉しい犬も他にいません。
是非ブリーダーと仲良くなり、直にお話を伺い購入をご検討なさってください。