サモエドといえば、フワフワの真っ白い被毛とくるんとした巻きしっぽが非常に愛らしい犬です。
まるで微笑んでいるかのような表情(サモエドスマイル)が魅力的で、幅広い世代からペットとして愛されています。
本稿ではそんなサモエドの性格について改めてじっくり掘り下げていきましょう。
また、飼い主による向き不向きや前述の「サモエドスマイル」などについても掘り下げていきます。
サモエドの特徴
サモエドは白い長毛に覆われたロシア原産の犬で、立ち耳と尻尾の長い飾り毛が特徴です。
愛嬌のある顔をしており、上向きの口角からまるで微笑んでいるような表情を見せます。
では以下細かく解説していきます。
大きさと体重
サモエドは体高より体長がやや長い中型犬で、標準の成犬のオスは57cm、メスが53cmほどです。
体重はオスで23~30㎏、メスは16~20㎏とオスとメスで結構な体格差があります。
勿論個体差はあるものの、他の犬種と比べてもオスとメスで体格の差がつきやすい犬でしょう。
被毛
サモエドの被毛は寒い地域で体を守るダブルコートになっており、全身を覆う長い上毛と根元を覆う密集した下毛が生えています。
白いピュア・ホワイトの個体が多いですが、クリーム、ホワイトに薄茶色のマークが入っている個体もいるのです。
なのでどちらかといえば穏やかな気候よりは寒く厳しい気候の方が過ごしやすいのではないでしょうか。
性格
サモエドは優しく温和な性格で辛抱強く、飼い主以外の他人や見たことない犬に対しても概ねフレンドリーです。
家族として迎えれば、人間を信頼し家族の一員としてそばにいてくれる存在となるでしょう。
子どもの遊び相手としても理想的で攻撃的な面もほとんどなく、穏やかで社交的です。
人見知りもしないので、ゴールデンレトリーバーの次に飼いやすい人気の犬種となります。
寿命
サモエドの平均寿命は12年前後で、ダルメシアンやブルテリア などに見られる遺伝性疾患が少ない健康的な犬です。
ただし、中型・大型犬によく見られる胃捻転や股関節形成不全などに注意しないと寿命を大幅に縮めてしまう可能性もあります。
健康的な犬だからと油断をせず、しっかりしつけや健康管理・定期検診を忘れないようにしてください。
サモエドスマイルの秘密
何とも愛らしいサモエドスマイルはスピッツ系特有ともいえる顔のパーツのバランスに秘密があります。
アーモンド形の目やその位置、また緩やかにカーブを描いている口角が笑顔を作り出す絶妙なバランスで配置されているのです。
さらに真っ黒な瞳と黒い口角が白いボディによく映え、より一層魅力的なサモエドスマイルを際立たせる要因になっています。
サモエド自身は笑顔ではなく普通の表情なのですが、逆にそれが決して狙わない自然な笑顔に見えるギャップが魅力的です。
サモエドの歴史
サモエドはシベリアのツンドラ地方で、遊牧民族サモエド族と暮らしてきた土着犬です。
サモエド族が連れていたトナカイが狼に襲われないように警護する牧羊犬であり、その他狩猟犬や荷物・ソリを引く役割を担っていました。
北方派生のスピッツが先祖に当たる犬種で、イヌ科の近縁種との交雑もなかったと推定される、原始から犬らしい状態で繁殖してきた古代種でもあります。
1911年に探検家アムンゼンが50頭のサモエド犬と南極を探検したことでサモエドという犬種が世界に知られるようになります。
この頃のサモエドは白だけでなくカラーバリエーション豊富でしたが、イギリスで選択繁殖された結果白い個体が主流となりました。
1909年には最初のスタンダードが作成され、1912年にイギリスケンネルクラブに正式犬種として公認されています。
サモエドを飼うのに向く人
家にいることが多い人
サモエドはとても甘えん坊で寂しがり屋な性格なので、飼い主と多くの時間を一緒に過ごすことに幸せを感じます。
家にいる時間が長く、たくさんかまってあげられる人に適しているでしょう。
在宅勤務の飼い主や専業主婦などご自宅にいる時間が長い方にはおすすめです。
散歩の時間が多くとれる人
サモエドは狩猟やソリ引きに従事していた歴史があるので、その愛らしい見た目に反して動くことが大好きです。
なので十分な運動量を確保し、付き合ってあげる必要があります。
動き回ったり遊ぶことが大好きな性格なので、十分な時間を散歩に割くことのできる人にはうってつけでしょう。
経済的に余裕のある人
サモエドの飼育は飼い主の中でも経済的に余裕のある人でなければ難しいでしょう。
サモエドの抜け毛の量は他の犬種に比べるとかなり多いので、小まめなブラッシングや月に1回程度の定期的なトリミングが欠かせません。
また寒さには強いが暑さに弱い犬種なので、夏場は快適な飼育環境にするためのエアコン代などもかかります。
不労所得で稼ぎを得て安定している富裕層の方が暮らすのには向いているでしょう。
一戸建てに暮らす人
サモエドはおしゃべりな性格なので、吠えることで飼い主とのコミュニケーションを図ります。
甲高く声量もあるので、集合住宅よりも一戸建ての家に住んでいる人向きです。
ただし、近所迷惑にならないようにしてください。
サモエドを飼うのに向かない人
家を空けることが多い人
まず仕事などで家を空けることが多い人はサモエドの飼い主には向きません。
代わりに面倒を見てくれる人を立てる場合は別として、独り暮らしの方はやめておきましょう。
出張や派遣・転勤などが多い方もサモエドが不幸になるので辞めてください。
散歩の時間が余り取れない人
仕事の都合などで余り散歩の時間が取れない方もまたサモエドの飼い主には向きません。
基本的に中型犬・大型犬以上になると最低1時間以上は散歩時間を確保出来ないのは厳しいでしょう。
経済的に厳しい人
経済的に余裕がない人はサモエドを飼うのには向かないのでやめておきましょう。
犬自体がそもそも贅沢品なのですが、サモエドやゴールデンレトリーバーなどはわけても維持費・飼育費がバカになりません。
また寒さには強いが暑さに弱い犬種ですから節約・倹約を心がけている方には向かないでしょう。
マンション・アパートに住んでいる人
集合住宅、マンション・アパートに住んでいる方はサモエドを飼うのには向きません。
下手すれば近所迷惑になり、クレームが大量発生することが考えられます。
やや土地から離れた閑静な所に暮らしている方でなければ穏やかに飼うことは出来ないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は中型犬の中でも破格の人気を誇るサモエドの性格を中心に解説してきました。
非常に人気の犬種のサモエドはゴールデンレトリーバーに勝るとも劣らない名犬です。
取っつきやすく愛嬌に満ちた性格故に誰もが飼いたいと思えるでしょう。
しかし、良質の犬はそれに比例して飼うのに経済的・時間的な余裕が必要です。
本当に価値のあるペットはそれ相応の対価が必要となります。
飼うのであれば余裕を持ってしっかり面倒を見てあげましょう。