犬を飼う時に不安や心配はつきものです。飼い始めたはいいものの、いざ実践となると中々難しいとお思いではないでしょうか。
しかし、犬のしつけはしっかりコツを押さえて正しい手順で我慢強くやっていけば意外と簡単なものです。
そこで今回はしつけに際して必要な心構えとトイレ(おしっこ)のしつけについて解説していきます。
犬のしつけの基本的な心構え
犬のしつけには飼い主側にしっかりとした心構えが必要です。ここではどんな心構えが必要かを掘り下げてみましょう。
主導権をしっかり握る
最初に心がけるべきことは「自分が飼い主である」という自覚をしっかり持ち、犬の主導権を握って上位に立つことです。
服従というと後ろ向きのイメージがありますが、犬は上下関係が凄く厳しいので最初にしっかり上下関係を植えつけさせる必要があります。
この段階で下手に出て犬の方が上だという感覚を持たせてしまうと、飼い犬は家の中で支配的な振る舞いをするようになるのです。
そうなると飼い主のみならず家族や近所の人たちにも迷惑がかかり、飼うこと自体がストレスになりかねません。
あくまでも犬はペットであり人間とは違う生き物だと自覚してしつけることが大事です。
感情でしつけをしない
犬の主導権を握っているからといって決して感情に左右されず中立的であることを心掛けたしつけをしましょう。
子供と同じように子犬だって試行錯誤を繰り返して成長していくものなので、我慢強さが必要となります。
また、必要以上に声を荒げての叱責や子犬を委縮させてしまうような暴力も厳禁です。
そして犬が興奮している時や鳴いている時にも決して反応したり話しかけたりしないようにしましょう。
そんな中途半端な状態のしつけはかえって逆効果となり、飼い犬は反発心から支配的な振る舞いをするようになります。
あくまでも冷静沈着かつ不即不離のバランスのよいしつけを行っていきましょう。
しつけが出来たら褒める
中立的であることが望ましいとはいえ、一つの命令やしつけがしっかり出来たらその場で褒めることが大切です。
その方法も一つではなく、一緒に遊んだり褒美のおやつを与えるなどもあります。
しかし褒美のおやつを与える場合は徐々に量や頻度を減らさないと、それが当たり前になってしまいます。
褒美は滅多に貰えないからこそ価値があるので、頻繁に与えることで褒美の安売りをするのは避けましょう。
迎え入れた日からすぐに始める
これが一番大切ですが、犬を家に迎え入れた日から直ぐにしつけを始めるようにしましょう。
生まれたての子犬の場合は生後2~3ヶ月後がしつけの開始に最も適していると言われます。
子犬である時期は短いので、この子犬の時期にどれだけしっかりしつけを行うかが大切です。
「三つ子の魂百まで」という格言があるように、幼少期のしつけは基本的人格を左右します。
ここでしつけを怠ったり手を抜いたりすると、非常に行儀の悪い犬へと育ってしまうのです。
そしてその中でもトイレのしつけは特に早い段階で行うのが理想とされています。
犬のトイレトレーニング
さて、ここからは具体的な犬のしつけに入りますが、その中でも特に大切なのはトイレトレーニングです。
このトイレトレーニングを怠ると、犬は家のあらゆるところで粗相をするようになり快適に過ごせなくなります。
そのような事態を回避するためにも、ここでは犬のトイレトレーニングの手順と方法を解説していきます。
トイレトレーニングに必要な環境設計
まずトイレトレーニングにおいて大事なのは環境設計をきちんと行うことです。
必要な道具はサークルないしケージ・トイレシーツ・仕切り・新聞紙・皿・ドリンクボトルあたりでしょうか。
これらを用いてトイレトレーニングを行いますが、一番大事なのはどこにその一式を設置するのかです。
お勧めは犬がなるべく落ち着けるようなプライベートが守られた人通りの少ない場所がいいでしょう。
人間がそうであるように犬も排泄を行う時はなるべく周囲の目を気にせず一人で行いたものです。
また、犬はきれい好きなので仕切りを用いて寝床や食事を行う場所とトイレはきちんと区別しましょう。
そして余計なカーペットやマットなども犬が粗相してしまう原因になるので避けた方が無難です。
こうした環境設計をしっかり適切に行うことで無用なトラブルを回避することができます。
トイレの場所は徹底して教え仕込む
まず最初の段階ではトイレの場所はここであるとしっかり教え仕込んで習慣化させましょう。
よっぽど人と一緒に住んでた経験のある犬でない限りはトイレを自らの意思で行うことはまずありません。
最初は失敗もありますが、その時も怒らず何事もなかったかのように掃除をして匂いを除去しましょう。
ここで失敗を叱責すると委縮してしまい排泄自体を我慢するようになってしまい膀胱炎になりかねません。
兎に角迎え入れて最初の一週間~一ヶ月は決められた場所で排泄を行うよう誘導することが大事です。
トイレの場所を正確に覚えるまでじっくり冷静沈着に教えていきましょう。
排泄が出来たら褒めて遊ぶ
排泄が成功したときはその場ですぐに褒め、サークル・ケージから出して少し遊んであげましょう。
最初に出す時はなるべく狭い範囲と短い時間で遊び、排泄に慣れてきたら時間と共に遊ぶ範囲と時間を広げます。
この時注意すべきは撫でたりせず声で褒めてあげ、またその褒める声も統一すること。
子犬は撫でられるのが嫌いなのでこのやり方では自分が褒められているのかどうか理解できません。
また褒める声を統一しないのも子犬が褒められているかわからない原因となってストレスになります。
そして遊んでいる間にさっと片づけをし新しいトイレシーツを用意すると排泄はスムーズに進みます。
この手順を繰り返し行うことで犬の体も馴染んできますので、手を抜かずしっかり行いましょう。
排泄のタイミングとサインを見逃さない
そしてこれが最も大事ですが、子犬の時期は特に排泄のタイミングとサインを見逃さないでください。
まずタイミングに関しては子犬は排泄の感覚が1時間と感覚が短いのでなるべくこまめにタイミングを見ましょう。
また規則として寝起き・飲食後・遊んだ後・外から帰ってきた時等は排泄しやすいことも見逃さないことです。
次にサインですが、尿意や便意を感じると犬はソワソワして落ち着かなくなり周囲を徘徊するようになります。
そうなったら排泄のタイミングが来たというサインなのでトイレに連れて行って排泄させましょう。
また散歩の時地面を何度も嗅ぐ仕草も尿意や便意のサインとなるので見逃さないことが大事です。
常に観察力・洞察力を研ぎ澄ませて犬に目を光らせておくことで犬との快適な生活ができるようになります。
トイレの場所を変える場合
念のため、家具の移動や引っ越しなどの事情でトイレの場所を変える場合についても触れておきましょう。
一点目は犬にとってトイレは慣れ親しんでいる場所なので、それを突然変えることは戸惑いの対象になるということです。
なのでトイレの場所を少しずつ移動させましょう。いきなり遠くではなく少しずつ配置を変えて慣れさせることが大事です。
二点目にサークル・ケージ・シーツなどの道具は直ぐに変えず匂いのついた既存のものを用いましょう。
新しいものに変更する際はまず場所を変えてのリトレーニングを済ませてからでも遅くありません。
三点目に引っ越しの場合は改めて排泄のリトレーニングを行って場所の雰囲気に慣れさせてください。
ここで手を抜くとトレーニング前にリセットされてしまい、家のあちこちで粗相をするようになります。
手間はかかりますが、どんな時も犬に精一杯の思いやりと愛情をもって接することを忘れないようにしましょう。
まとめ
犬のしつけにおいて、最初の心構えとトイレトレーニングは基本の「基」であり、とても大事な部分です。
基礎基本というと「簡単」なイメージがありますが、それは大間違いでここを疎かにすると良質な犬には育ちません。
建築においても基礎土台の工事が物を言うのであり、トイレトレーニングはまさにその基礎土台工事だと思ってください。
基礎基本をしっかり遵守し、快適なペットライフを楽しめるように心がけていきましょう。