犬のしつけ「噛み癖」はなぜ治らないの?具体的なしつけをご紹介!

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犬のしつけ入門

前回のその7では「待て」について解説しました。今回はしつけの中でもその4の「吠える」と並ぶ犬の代名詞「嚙み癖」です。

犬のしつけの中でもとりわけ「吠える」と「嚙み癖」は飼い主が最も悩む問題の筆頭に挙げられます。

ここでは改めて「嚙み癖」の意味と具体的なしつけ方について解説していきましょう。

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なぜ犬は噛むのか?

そもそもなぜ犬は噛むのか?ここを理解できない飼い主の方が多く、獣医やプロのトレーナーに相談も多いと聞きます。

しかし「無駄吠え」がないのと同じように噛み癖に関しても犬には「無駄噛み」は一つもないのです。

きちんと然るべき理由があって噛んでいるので、ここではその原因を幾つかに分けて解説してみましょう。

子犬の甘噛み

第一の理由は子犬の時期の甘噛みが挙げられ、飼い主の多くは実はこの段階で躓いているのです。

大きな理由は「乳歯から永久歯への生え変わり」「いたずらや遊び」の二つに大別されます。

前者の場合は歯が痒くなると甘噛みしますが、これは成長痛という一過性のものなので大丈夫です。

問題は後者のいたずらや遊び心からの噛み癖で、これを放置しておくと後々痛い目に遭います。

別の犬が居れば先住犬とのやり取りで噛む力加減を覚えていきますが、一匹の場合そうはいきません。

小さい頃の甘噛みを甘く見ずに、早期対策をしっかり立ててください。

構ってちゃん攻撃

二つ目が飼い主に構ってほしいから噛む、いわゆる「構ってちゃん攻撃」というタイプです。

犬は人懐っこい反面依存性もまた強い動物で、ゆっくりくつろいでる飼い主の手足や洋服の裾を噛むことがあります。

そういう時は大体寂しいから構ってほしいというサインで、突発的な行動なので驚かれる飼い主も多いでしょう。

ここでもまた飼い主の対応力が試されており、寂しいからと変に構ったり痛がったりするのは逆効果です。

下手な反応は犬を付け上がらせるだけなので下手に取り合わずスマートな対応を心掛けてください。

拒否反応の場合

これは子犬・成犬の両時期に見受けられますが、ブラッシング・爪切りの時に嫌がって噛むことがあります。

この場合は一種の拒絶反応であり、自分に嫌なものが降りかかってくる状況から逃れたいのです。

また、飼い主の友や来訪客が最初に触ろうと近づいた時にもこの反応で噛みつくことも珍しくありません。

こういう時は逆に噛まれたからといってブラッシング・爪切りを途中でやめないようにしましょう。

ここでやめると「噛むことで嫌なものが遠ざかった」と勘違いし、お手入れの際に噛むことが習慣化してしまいます。

攻撃本能の場合

4つ目の理由として、犬にはそもそも肉食動物であり、鋭い牙は元々肉を切り裂いて食べる為の武器です。

ペットの犬は平和な環境でその闘争本能が薄れるだけで、警察犬や狩用の猟犬はこの闘争本能を訓練で研ぎ澄ませています。

犬が散歩中に他の犬や通行人に襲い掛かって噛む癖が出るのもこの攻撃本能が外部の刺激によって誘発されるからです。

こうなった時の原因は大体飼い主の側にあるので、なるべくそういう攻撃本能が出る状況を作らないようにしましょう。

ペット化して人間社会に馴染んでも元々は別の生き物だったことを絶対に忘れないでください。

病気の場合

五つ目にレイジ・シンドローム(突発性激怒症候群)という先天性の病気により突然噛みつくことがあります。

また、脳腫瘍やてんかん・視力や体力の低下といった理由でも突発的に噛むことがあり、これは非常に厄介です。

これまで紹介してきた噛み癖はしかるべき理由でかみつきますが、病気の場合症状なので噛んでいる自覚すらありません。

しかもこの場合数分から数時間にわたって行われるものなので飼い主も犬も双方に命のリスクがかかります。

まだ世間一般に知られていないマイナーな病気なので、それと気づかない飼い主も多いので注意しましょう。

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噛み癖の治し方

ここまで説明してきたことで、犬の噛み癖の理由は具体的にご理解いただけたかと思います。

ではここからパターン別に噛み癖の治し方・対処法について解説していきましょう。

子犬の甘噛みの場合

子犬の甘噛みの場合対処法は比較的簡単で「痛い!」とだけ叫び、遊びを即中断して離れてください。

噛まれることが決して気持ちいいわけではないことを教え自覚させることが大切です。

この際のポイントは決して怒鳴ったり騒いだりせず、無言でその場を立ち去りましょう。

過剰な反応はかえって犬を喜ばせるだけなので、スマートな対応を心掛けてください。

子犬の時期の甘噛みをしっかり治すか放置するかは一つの大きな分水嶺となります。

構ってちゃん攻撃の場合

構ってちゃん攻撃の場合も子犬の時期の甘噛みと同じ対応で十分でしょう。

「痛い!」とだけ叫び、スマートに犬を無視して立ち去る行為で自覚させることが出来ます。

この場合特に大事なのは犬を依存から解放させ、孤独に慣れさせることです。

群生の傾向が強いとはいえ、構ってほしいからと甘やかすと逆効果で付け上がります。

「優しさ」は常に「厳しさ」と表裏一体で「甘さ」とは違うことを承知しておきましょう。

拒否反応の場合

拒絶反応を理由に噛む場合その殆どが「触られることが嫌」なので普段からスキンシップを多めにしましょう。

普段から犬と触れ合う癖をつけておくことで拒絶反応は起こらなくなり受け入れ態勢が出来ます。

しかし、時として「痛い!」とだけ叫んで無視しても噛み癖が治らない場合があるのです。

その時は裏技として「痛い!」と叫んだ直後に噛まれた手を思い切って喉の奥まで突っ込んでみましょう。

犬が意表を突かれて驚き、これを繰り返すうちに噛まなくなり大人しく言うことを聞くようになります。

全ての犬が大人しく聞き分けのいい犬ばかりではありませんので、時にはこうした力技もありです。

攻撃本能の場合

攻撃本能が強い犬の場合、まずは攻撃本能を刺激する状況を作らないようにすることです。

飼い主であればまず人目の多い場所や他の動物、ペットが居そうな場所は避けて通りましょう。

また、飼い主ではない普通の方々も散歩中の犬を見かけたら避けて通るのが吉です。

それでも噛み癖の治らないやんちゃな犬も中にはいますので、その場合はプロのトレーナーに預けます。

お金は多少かかりますが、噛み癖は飼い主のみならずいろんな人や動物に怪我を負わせる行為です。

素人の中途半端なしつけよりは遥かに安全であることは間違いないでしょう。

病気の場合

病気による噛み癖が疑われる場合は即座に動物病院に連れていき診察してもらいましょう。

レイジ・シンドローム(突発性激怒症候群)やてんかんの場合はMRI検査が必須となります。

中には噛み癖をやめさせるための内服薬などもありますので、行き詰った時は有効な手です。

特にてんかんなどは人間の病気としても世間の認知度は低く、それ故の誤解や偏見もままあります。

どんな小さなサインでも見逃すことなく、早期発見と適切な治療法で早めの内に解決してください。

まとめ

犬の噛み癖は「吠える」と並んで人間に及ぶ危害のリスクが高いしつけです。

早ければ早いに越したことはなく、放置しておくと成犬になった時痛い目に遭います。

細かな軌道修正を心がけていくことで充実したペットライフにしてください。

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