犬の歯周病(歯槽膿漏)を徹底解説!その症状と対策について考える

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歯周病

先日こちらの記事で犬の病気についてざっくばらんに解説致しました。

今回は犬がなり得る病気の1つに歯周病(歯槽膿漏)があり、それについて解説していきます。

人間同様犬も歯に病気を抱えやすい生き物ですので、歯周病に関しては特に注意が必要です。

人間にとってだけではなく犬にとっても重大な病気となる歯周病について今回は症状・対策も含めて考えていきましょう。

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歯周病(歯槽膿漏)とは

まず歯周病とはプラーク中の歯周病菌が歯茎に炎症を起こし、徐々に周りの組織を破壊していく細菌感染症です。

歯とハグキの境目に歯垢が溜まることによってハグキが赤く腫れるのですが、この状況を歯肉炎と言い、歯周病の始まりとなります。

適切なブラッシングやホワイトニングで歯垢を除去できれば炎症は落ち着きますが、除去せず歯垢が溜まった状態が続くと炎症はさらに強くなるのです。

深部の歯を支える骨にまで到達し歯周組織の破壊が起こり始めますが、その状況を歯周炎と呼びます。

一旦歯周病が歯周炎まで進行してしまうと、治療により進行は止めることが出来ますが、歯周組織は元に戻ることはありません。

つまり少しでも早く歯周病を発見し治療を開始する、もしくは歯周病にならないように予防することが大切になります。

犬の歯周病について

犬では歯垢が歯石になるのは人に比べとても早く3日~5日と言われています。

一旦歯石になってしまうと歯ブラシでは除去できなくり、いくら丁寧に磨いても磨き残しが出るのです。

歯周病の恐ろしい所は痛みなどの自覚症状が表面化しにくいところにあり、気がついた時には既に遅いでしょう。

つまり、犬がご飯を普通に食べていて、痛がっている様子もないから大丈夫ということでは決してありません。

普段から口の中を見てハグキの色が悪い、口臭がある、出血しているなどの異常が認められたら動物病院へ行かせてください。

歯周病の進行

歯周病はその段階に応じて以下のような状態で徐々に信仰していきますので気をつけてください。

歯肉炎

歯の表面にわずかに歯石が付着しておりう、歯肉の赤みもそれほど目立ちません。症状としてはまだ軽くこの段階を歯肉炎と言います。

しかし歯肉炎だからといって甘く見ていると絶対後悔することになるので必ず歯磨きは行って下さい。

歯周炎(初期段階)

初期段階に入ると、第4前臼歯や犬歯に歯石が付着して、歯肉の赤みや腫れも増してきて、口臭も感じられるようになります。

歯石が沈着している部分では歯と歯肉の間に歯周ポケットが形成され、その中でさらに細菌は繁殖していくのです。

その結果、バイオフィルムが形成されバリアのような役目をするため、酵素や抗生物質を用いても細菌を除去することはできません。

痛みを感じることも多く、場合によっては口を触られるのを嫌がるようになり、この段階が歯周炎と呼ばれる状態になります。

歯周病(歯槽膿漏)

沈着した歯石の上に新たな歯垢が付着し、その後歯石となってさらにその上に歯垢が付着するという悪循環が繰り返され、歯周炎は進行していきます。

歯周ポケットに膿がたまっている状態を歯槽膿漏といい、もうこの段階に入るとほぼ末期症状と言っていいでしょう。

手術をしてもほぼ回復は無理な状況であり、元の健康的な生活には戻りにくいかもしれません。

この段階に至ることだけは絶対に避けなければならず、しかも歯槽膿漏になると全身の機能に悪影響が出るのです。

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歯槽膿漏によって起こる症状

歯槽膿漏を放置しておくと、結果的に以下の症状にかかるので注意してください。

外歯瘻(がいしろう)

炎症が根尖(歯の根っこ)の周囲まで波及し、根尖周囲の骨が溶けて皮膚まで穴が開き外歯瘻と呼ばれる状態になります。

炎症によって骨が溶かされ瘻管(トンネル)が作られてしまい皮膚に穴が開いていく恐ろしい症状です。

内歯瘻(ないしろう)

炎症が進み歯周組織が破壊され瘻管が形成され、歯肉に穴が開いていきます

この段階に入るとほぼ手遅れの状態と言っていいでしょう。

口鼻瘻管(こうびろうかん)

根尖で炎症が進んだ結果、骨が溶けて鼻と通じてしまった状態で、口腔と鼻腔とを隔てる骨の厚さは非常に薄いです。

骨が溶けると容易に穴が開いてしまい、クシャミや鼻汁、鼻からの出血などの症状が見られることも多くなります。

下顎骨骨折

小型犬に顕著な症状ですが、下顎骨の厚さに比べて歯が相対的に大きいため根尖(歯の根っこ)が下顎骨の下縁(下のライン)とほぼ同じような位置にあります。

歯周病が進行し下顎骨が重度に溶けてしまうと、硬いものを咬んだり外からの衝撃が加わったりしただけでも薄くなった下顎骨が簡単に折れてしまうのです。

犬の歯周病(歯槽膿漏)対策

こうして見ていくと、如何に歯周病(歯槽膿漏)が恐ろしい病気かが分かっていただけかと思います。

ここからは具体的かつ実戦的な対策を述べますが、以下のものが挙げられるでしょう。

動物病院での治療

まず動物病院に連れていき、歯垢や歯石を取る治療を行って貰います。軽度の歯肉炎の場合はこの治療で治癒できるでしょう。

重度の場合は、抜けそうになっている歯を抜歯したり、炎症がひどい歯茎を切除したりするので覚悟してください。

その後歯を研磨し汚れをつきにくくして治療は終了です。これらの治療は、専門のトレーニングを受けた動物病院の獣医師が行います。

これでまずは第一段階が終了ですが、ここからが大事ですので決して油断はしないでください。

歯周病を予防する歯磨き

次に大事なのは飼い主はしっかり犬の歯磨きを徹底して行い歯周病を予防することです。

悪化すると顎の骨折や、全身の症状まで引き起こしてしまう病気ですが、最も効果的なのは日々のデンタルケアです。

近年でじゃ歯周病予防グッズとしてデンタルガムやデンタルペースト・液体デンタルケアなどが販売されています。

歯磨きをさせるまず簡単なデンタルケアグッズから始めてみることからお勧めします。

犬用の歯磨きペーストで歯磨き

慣れてきたらお口にさわれるように、ごほうびを使いながら練習していきましょう。手を噛まれないように気をつけて練習してください。

歯みがきペーストは人間用のものではなく犬用のものを使いましょう。犬用の歯みがき粉は刺激が少ないので歯みがきを楽しい時間にしてくれます。

また犬の歯周病はなかなか見つけにくい病気ですが、毎日の歯みがきを通してお口の中をチェックすることで、予防はもちろん早期発見にもつながります。

歯周病は8割の犬が発症するといわれているため、「うちの子は大丈夫」と思わずに、今日からでも対策をはじめましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

人間にとってだけでなく、犬にとっても恐ろしい病気の1つである歯周病(歯槽膿漏)。

大事なことは兎に角飼い主がしっかり習慣づけを行って徹底した改善を図ることです。

自ら「歯を磨いて!」という犬はおらず歯みがきの習慣はないので、飼い主の歯みがきと同様に毎日1本ずつでも続けるましょう。

犬の歯垢は歯石になりやすいため老犬の健康管理の1つと考えて今からでも毎日の習慣にするよう心がけてください。

そして何より飼い主自身が歯磨きをしっかり行うことで自然と行うようになりますので、兎に角徹底した予防が大切です。

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