イギリス原産でありながら、日本でも破格の人気を誇る大型犬の代表格であるゴールデンレトリバー。
CMやテレビ番組・動画などでご覧になった方もさぞ多く、名前を耳にしたことのない方は居ないでしょう。
由緒ある血統書つきで一時期は「お金持ち」の象徴としても扱われていました。
今回の記事ではそんなゴールデンレトリバーの性格や特徴について解説していきます。
また、しつけの注意点や病気・平均寿命、歴史的背景なども併せて見ていきましょう。
ゴールデンレトリーバーの性格と特徴
ゴールデンレトリバーは如何にも平和的で穏やか・優しいと言われる犬種ですが、果たして実態はどうなのでしょうか?
ここではゴールデンレトリバーの性格・特徴について説明します。
外見的特徴
ゴールデンレトリバーは体高より体長がやや長く、バランスの取れた体つきです。
分類は大型犬でオスは体高58~61cmの体重29~34kgで、メスは体高54~57cmの体重24~29kgが望ましいとされています。
垂れ耳で目はアーモンド型、更に毛色も金色なので非常に高貴で上品な印象を与える犬種でしょう。
性格
温厚で優しい
個体差があるので一概には言えませんが、ゴールデンレトリバーはゆったりと落ち着いた性格が特徴です。
とにかく温厚で優しく、あまり野蛮な猟犬としての側面はないので安心して飼えるでしょう。
イギリス原産では特に上流階級の人たちが飼うこともあり、よりその側面が強いようです。
社交的でフレンドリー
人に対しても犬に対しても非常に社交的でフレンドリーな一面を持っています。
温厚で優しい性格もあって余り攻撃的な面がなく、初対面の人に対しても人見知りしません。
吠えやすい犬種も多い中で非常に落ち着いている所が上品だと評価される所以でしょう。
冷静沈着で賢い
冷静沈着な性格をしており、洞察力にも長けているなど非常に賢い側面があります。
社交的でありながら決して天然でも腕白でもなく、落ち着いたしっかり者となるのです。
飼い主の育て方次第では非常に利発的で聡明になるので、しつけはしっかり行いましょう。
育て方が悪いと野蛮に
とはいえ、上記した性格はいずれも飼い主がしっかりしたしつけを行えばの話です。
雑な育て方をしてしまうと、散歩中や旅先で他の犬や人などに強く当たってしまう恐れがあるので要注意。
大型犬故に噛む力が強いので、遊びの一環で軽く噛んだつもりでも赤ちゃんや小型犬に怪我を負わせることもあります。
原産国で異なる
絶対ではありませんが、原産国で性格が異なる傾向があります。
イギリス原産のゴールデンレトリバーは温厚な性格をしているため、家庭犬に向いているといわれています。
飼い主さんに対しても非常に従順であり、無邪気で明るくあまり怖い側面はありません。
一方でアメリカ原産の場合活発さが目立ち、人の役に立ちたいという「作業欲求」が高い傾向があります。
盲導犬や聴導犬として活躍することが多いく、ハイテンションな一面もあるといわれています。
ゴールデンレトリバーの歴史
19世紀にニューファンドランドとウェイビー・コーテッドレトリバーの交配黄色い長毛の犬が基礎にあります。
その後、ツウィード・ウォーター・スパニエルを交配し、生まれた犬を土台にア交配を重ねて現在のゴールデンレトリバーに近い形になったそうです。
結果として、狩猟能力に優れながらも忠実で温和な犬種としてゴールデンレトリーバーが誕生しました。
外見が似ていることとその賢さ、人懐こくフレンドリーな性格でイギリス原産であることからラブラドールレトリバーの長毛タイプと誤解されます。
しかし、ゴールデンレトリバーはラブラドールレトリバーとは成り立ちが異なります。
大きな違いの一つは頭蓋骨の形で、ゴールデンレトリバーでは頭蓋骨が尖った形ですが、ラブラドールレトリバーではほとんどありません。
1903年に、イギリスケンネルクラブに最初に公認された時、ゴールデンレトリバーはフラットコート・ゴールデンという名前を与えられていました。
これと区別するために1911年にはゴールデンレトリバー、またはイエローレトリバーという名称に変更になりました。
のちにイエローが削除されて、1920年にゴールデンレトリバーという名前に統一され、現在に至るというわけです。
ゴールデンレトリーバーの注意点
さて、そんなゴールデンレトリバーですが、言っても大型犬なので飼う際には当然しつけも大変です。
ここではそんなゴールデンレトリバーをしつける際の注意点を書いていきましょう。
甘噛みを防ぐ
ゴールデンレトリーバーをはじめとする大型犬はとてもパワフルなので、甘噛み対策はしっかりしておきましょう。
入ってほしくない場所には頑丈な仕切りなどを設置して侵入を防ぎ事故を予防することが大切です。
また、電気コードや家具などの噛まれたくないものにはカバーをしたり苦味スプレーなどを塗ったりしてください
フローリング対策
大型犬は加齢によって筋肉量が落ちると、フローリングの上で重心を安定させることが難しくなり足首や関節などに負担をかけるようになります。
そのため、ゴールデンレトリーバーを迎え入れる際は滑らないようにマットを敷いたり犬の飼育用に作られたフローリング材に替える工夫をしましょう。
また、寝る場所には犬用のベッドなどクッション性の高いものを敷いて、肘や関節に床ずれやタコができないようにしてあげることもポイントです。
散歩・運動はしっかり行うこと
ゴールデン・レトリーバーはかなり活動的な犬種なので、散歩や遊びなどの運動時間をきちんと確保する必要があります。
散歩は1日2回(1回最低30分)が理想で、最低1時間以上の遊び時間を確保できる人が飼育に向いているでしょう。
春夏は毛繕いをしっかり
ダブルコートのため、春から夏にかけて換毛期が訪れるので、この時期は毎日入念にブラッシングをしないと、家の中は毛だらけになります。
さらに軽い毛なので空気中を漂い、口や目に入ってしまうこともあるため注意しましょう。
注意すべき病気
ゴールデン・レトリーバーは股関節形成不全や悪性腫瘍になりやすいといわれています。
大型犬故に骨格がしっかり追いつかないと体を崩してしまいやすいからでしょう。
視力が弱まる白内障や胃の病気である胃拡張・胃捻転にもかかりやすいです。
言うまでもないことですが、動物病院に行って邸的な検診を受けさせてください。
平均寿命
ゴールデンレトリバーの平均寿命は10~12歳となっており、大型犬ということもあって短い方です。
また、オスとメスの性差も影響しオスのほうが体が大きくなるため寿命が短くメスのほうが長生きする傾向があります。
パワフルである分エネルギーも消費しやすいので、平均寿命の短さを覚悟の上で飼って下さい。
まとめ
全犬種の中でも常に人のために行動し人に寄り添える犬種はゴールデンレトリバーだけと言われています。
しつけさえしっかりしていれば、小さな子供の遊び相手にもなるほど飼いやすくかわいい大型犬はいません。
しかし最近では手癖の悪い飼い主によりわがままに育てられたゴールデンレトリバーも見受けられます。
ゴールデンレトリバーを飼ったら、6ヶ月齢までの間にしっかりとしたしつけを心がけて下さい。
何度も言いますが、三つ子の魂百までなのできちんと愛情をもって接することが大事です。