これまでの記事でも少しずつ触れてきていましたが、今回はドッグトレーナーについてです。
犬の訓練士と聞くと格好いいですし、警察犬や盲導犬などを見ると如何にも格好良く映っています。
しかし、それはあくまでも「見た目」だけであり「実態」に関しては意外と知らない人も多いでしょう。
今回はドッグトレーナーの年収や職種・将来性なども踏まえて解説していきます。
ドッグトレーナーの実態
それではまずドッグトレーナーがどんな職業なのか、実態を見ていきましょう。
ドッグトレーナーの年収
まず気になるのは一体ドッグトレーナーがどれくらい年収を稼げるのか?ということでしょう。
総論としては平均年収250万、月収に換算すると手取り13~18万程度です。職種別での平均年収はこうなります。
- ペットショップ:250万円
- 犬のしつけ教室:270万円
- 犬の幼稚園:260万円
- 警察犬訓練所:320万円
やはり一番稼げるのは国家権力の申し子である警察犬訓練所で、国からの助成金が出るお陰でかなり儲かるようです。
しかし、やはりペットショップ・犬のしつけ教室・犬の幼稚園などは300万を行かないところが大半となっています。
世間のイメージとしては格好いいと思われますが、実態としては一般企業の方がまだ稼げるといえるでしょう。
ドッグトレーナーとはどんな仕事か?
ドッグトレーナーの仕事は家庭で飼われている犬のしつけ・世話を請け負う仕事です。
職業犬を訓練する仕事とは別として考えられることが殆どではないでしょうか。
ドッグトレーナー=家庭犬訓練士と称されることがあります。
また、犬を自分自身でしつけるだけではなくて飼い主にしつけの指導を行うのもドッグトレーナーの仕事です。
身も蓋もない言い方をすれば、犬の面倒をまともに見切れない飼い主の尻拭いというわけですね。
ドッグトレーナーのメリット
この仕事のメリットは大型犬から小型犬まで様々な犬と関わることが出来る所です。
犬好きにはたまらない仕事で、しつけをしてそのしつけをちゃんと守るようになったときの喜びは一入でしょう。
飼い主の人の喜ぶ顔・感謝の言葉がドッグトレーナーの大きなやりがいになります。
また、犬は飼い主に似るので、犬の育ちや振る舞いを見れば飼い主の教育力が垣間見るのも面白い所です。
心から犬が大好きで、犬と一緒に人生を終えてもいい位の人には向いている仕事なのは間違いありません。
ドッグトレーナーのデメリット
逆にドッグトレーナーのデメリットとしては費用対効果が割に合わないということでしょう。
犬のしつけを飼い主の代わりに行うことになるので、体力・精神力共にタフな人でないと勤まりません。
また、犬は暴れやすい生き物でもあるので、怪我や感染症のリスクと戦う必要があります。
それから、触手にもよりますが、時間外労働も増えることがあるので、大変でしょう。
兎に角「稼ぎの悪さ」が一番の難点と言っても過言ではありません。
ドッグトレーナーの待遇
ドッグトレーナーの待遇も勤務先によって違ってくるので、一概にこうだとは言い切れません。
正社員であれば、社会保険や労災保険に加入できますが、交通費や住宅手当の支給状況は勤務先によってことなります。
なお、警察犬などの訓練を行う犬の訓練士を目指す場合は訓練所へ入所することが多くなります。
住み込みで働く場合は初任給が3万円~5万円程度と非常に安いものの、住居が確保されていること、また食事も付くため、生活費はほとんどかからないようです。
訓練所に入る場合は上級の資格を取得したり昇進したりすることで徐々に収入は上がっていきます。
しかし、何度でも言いますが、労働時間や内容の割に稼ぎは余り良くないので覚悟はしておく必要があるでしょう。
ドッグトレーナーの職種と将来性
上記してきたことを踏まえて、今度はドッグトレーナーの職種や将来性などについて諸々語っていきましょう。
ドッグトレーナーの職種
職種は基本的にペットショップ、犬のしつけ教室、犬の幼稚園、警察犬訓練所の4つに大別されます。
また、トレーナーという形でなければ、ペット系YouTuberというインフルエンサー業もありでしょう。
一番確実に稼げるのは警察犬訓練所であり、こちらはほぼ住み込みでの働きとなるので安定しています。
その分指導なども厳しくなるので、より高い専門的知識とスキルが必要となることを覚悟して下さい。
将来性
正直な所ドッグトレーナーに限らず動物系は余り将来性があるとは言えません。
以下その理由や対応策などについて述べていきます。
隙間産業だから
ますそもそも日本は海外ほどペット産業が充実しておらず、隙間産業だからです。
ペットに関する研究も甘いし、飼い主も適当に飼って面倒を見切れず捨ててしまうことも多々あります。
それはこれまでの記事でも述べてきたように、国産ドッグフードの品質の悪さにも表れているのです。
日本においてはペット商品というのは車とかと同じ贅沢品で、日常に必須のものではありません。
国内の独立開業は至難の業である
隙間産業であるということは即ち独立開業自体が至難の業ということにもなります。
開業しようにもレッスン費用が高額なこともあり多くは目標半ばで曖昧に終始してしまうのです。
ましてや今新型コロナウイルスの影響などで動物媒介による感染も危惧されているので尚更でしょう。
日本でドッグトレーナー(訓練士)として独立開業をし十分な収益を上げるためには、広告や看板を上げるだけではかないません。
熱心な営業活動やペットショップ、動物病院と提携し常に新規顧客を獲得できる方法を確立することが必須条件です。
就職するなら海外へ
そういうこともあるので、もしドッグトレーナーになりたいのであれば思い切って海外に行くのも手でしょう。
特にイギリスなどのヨーロッパ圏はペット文化がしっかり根付いており、専門的知識とスキルも日本と比べものにならない程高いです。
ハードルは上がりますが、市場価値は高いですし経験値を積んでいけばそれだけでブランドになります。
もしドッグトレーナーになりたいのであれば、思い切って海外へ行くのが吉でしょう。
ペット系YouTuber
以前にもお伝えしましたが、ペット系YouTuberになれば広告収入次第でかなり稼げます。
ただし、ペット系も最近は珍しくなくなってきてるのでポジション取りは難しいでしょう。
また、YouTuberは売れる人と売れない人で二極化しているのが現状なので、生き残れるのはほんの一握りです。
なのでこちらもかなりの狭き門となるので見込みとしては正直薄く、成り上がるのは難しくなります。
副業は必須
これからを考えれば副業と併せて稼ぐことが必須となるでしょう。
特にこれからの時代は同一労働同一賃金が導入されたことで正社員と非正規雇用の格差がなくなります。
そうなると益々正社員としての価値は薄く、それ一本で稼ぐのは余りにも危険です。
なのでリスク分散で副業や副収入の手段はしっかり心得ておいてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はドッグトレーナーの年収その他諸々について簡潔にまとめてみました。
国内では正直な所余り稼げず、将来性という点でもお世辞にも良いとは言えないのが現実です。
ましてや今働き方がどんどん組織の時代から個の時代へと移り変わっていきます。
そんな時代にドッグトレーナーを行う意義は慎重に検討した方がいいでしょう。
ペットはあくまでも人間の生活になくてもよいオプションである、という意識は持っておいて下さい。