犬のしつけは英語コマンドがいいのか?犬の言語能力を考察・検証

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犬のしつけ入門

以前に犬のしつけのカテゴリーで英語コマンドについて解説を書きました。

何故犬のしつけを英語コマンドで行うのがいいのかというと、方言による違いをなくせるからでした。

しかし、これはよくよく考えてみると本当に正しい考えなのでしょうか?

英語なら理解出来て日本語だと戸惑いが出るというのは犬の能力を甘く見ることになりかねません。

そこで今回は日本語と英語も含む犬の言語能力についてじっくり考察・検証していきましょう。

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犬と人間の脳は似ている

実は2016年8月29日付の学術誌「サイエンス」に掲載された研究である法則が明らかになっています。

それは「犬と人間の脳は似ている」ということで、これは驚きの情報ではないでしょうか。

具体的には犬が人間と同じような方法で情報処理を行っているというのです。

それらによれば以下のことが明らかとなっています。

感情のニュアンスを理解出来る

まず1つ目に快不快や好き嫌い、もしくは幸せと恐怖といった感情のニュアンスを理解出来るということです。

様々な人や他の犬が発する声を聞いたときの脳の反応が人間とほぼ同じ反応の仕方であったとなっています。

これまでの記事で繰り返し述べてきた「犬を叱ってはいけない」という理由は実はこの仕組みから来ているのです。

強い声で怒りっぽく言われたら犬はその音声を怒りだと正確に理解して以後その飼い主の声が苦手になります。

逆に褒め言葉の方が犬の方も嬉しく懐きやすいのも感情のニュアンスで音声を処理しているからです。

自らの意思で言語表現が出来る

音声言語病理学者クリスティーナ・ハンガーはある訓練で犬が自らの意思で言語表現が出来ることを明らかにしています。

実験には「Good」「Want」などのシールが貼られた多数のボタンが備え付けられている装置を使用しました。

ボタンを押すことでインプットされている言葉が発せられるようになり、幼い頃から人間の言葉を教え仕込みます。

そうすると愛犬がそれぞれの意味と装置の仕組みを理解し、状況に合ったボタンを押すことができるようになりました。

この装置を通して自らの意思を言語で表現することが可能になったのです。

29種類の単語の意味を理解して扱えるようになり、5個の単語を組み合わせた文章を作成することもできるようになりました。

これにより、犬と人間が共通の言語でコミュニケーションを取ることができるということが実証されたのです。

高速マッピングが出来る

2004年にはcience誌にリコという名前のボーダーコリーに関する研究が発表されました。

それによるとリコは新しい言葉を「高速マッピング」するという並外れた能力を証明してみせ、科学界に旋風を巻き起こしました。

高速マッピングとは1回聞いた言葉の意味について基礎的な仮説を立てる能力のことです。

発話能力が発達中の幼い子供で一般的に認められる能力です。

リコは200種類以上の物の名前を覚え、その単語を最初に覚えてから4週間たっても名前だけで認識を行い、取ってくることができました。

勿論全ての犬がこれ程高度な脳を持っているわけではありませんが、そういう犬種も中には居るのです。

犬の言語能力は人間並に高レベル

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こういう検証結果を見ていくと、実は犬の言語能力は人間並に高レベルと分かります。

具体的にいうと、犬は右脳で感情シグナルを処理し左脳で言葉の意味を処理しているということです。

そういう観点から見ていくと犬のしつけにおいて英語コマンドが良いというのは絶対ではないと気付かされます。

寧ろ犬の言語能力・理解力を見下して馬鹿にしているとさえ言えるかも知れません。

ボディランゲージの理解

言うまでもないことですが、犬にとって大事なのは言語能力だけではありません。

フィジカルコンタクトや手による指示といった非言語能力もまた大事なのです。

ハンガリーの研究者は人間の微妙なコミュニケーションを理解する能力が犬にあるか検証しました。

この研究では犬に2つのバージョンのビデオを見せ、1つ目のビデオでは女性が現れ優しい母親の口調で「こんにちは、ワンちゃん!」と語りかけながら犬を見た後近くのポットに視線を移します。

もう1つのバージョンでは女性は下を見たままで、抑えた声で話しかけてからポットに視線を移したという点だけを変えてありました。

犬に1つ目のビデオを見せると、犬が女性に注目し、女性の視線を追う様子が確認されています。

研究者たちは犬が直接話しかけられ、自分に向けて情報が発信されている状況では人間の赤ちゃんと同程度の認識能力を持つと結論づけました。

指さし、体の向き、目の動きといった微妙な合図を理解するのは人類にもっとも近縁のチンパンジーや人の子供と比べても犬の方が優れているのです。

そう、こうした視覚による情報処理能力も犬は極めて高いことが判明しています。

犬が人間を理解できる理由

犬がこれほどまでに私たちを理解できる理由は謎のままですが、多くの研究者は必要性と進化の産物ではないかと推測しています。

犬と人間は何千年もの時間すぐ近くで一緒に暮らし、その間に他の動物では類を見ないほど日々の暮らしを私たちに頼るようになったのです。

選択的交配が関与している可能性もあり、明らかに認知能力に関与する特定の性質を選んで犬を繁殖してきたためです。

私たちのすぐそばで一緒に暮らし私たちに依存するようになった動物種が私たちを理解しコミュニケーションをとるための能力を発達させたのでしょう。

英語コマンドはあくまでも選択肢の一つ

このように見ていくと、英語コマンドは犬のしつけにおいて絶対というわけではないことが分かります。

英語の方が発音などに無駄がなく、犬にとって処理しやすい言語であることに間違いはありません。

しかし、全部が全部英語である必要はないし、何より飼い主としては日本語脳と英語脳の切り替えが大変です。

また家族の場合全員が全員英語を得意としているわけではないので、しつけに統一性が出ません。

何度も言いますが、一番大事なのは飼い主の犬に対する愛情であり、言葉は後からついてきます。

犬の言語能力が高いことを知れば、英語か日本語かなど本質的な問題ではなく枝葉末節ではないとお分かりでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は犬のしつけにおける英語コマンドを言語能力の観点からやや否定的に論じてみました。

脳科学の研究などから犬は相当にレベルの高い言語処理能力があると明らかになっています。

その中において実は英語コマンドは単なる1つの方法論に過ぎないのです。

日本語か英語かなどというのは犬のしつけにおいて本質的な問題ではないでしょう。

飼い主の愛情と適切な感情でしつけられているかどうかが大事だということを忘れないでください。

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