犬を飼ったときに飼い主の多くがどんな名前にしようかをまず考えるのではないでしょうか。
思いつきで犬に名前をつける飼い主さんもいるようですが、どんな名前が人気か気になる方も居るかも知れません。
そこで今回は犬の名前を性別の違い等も含めて掘り下げていきましょう。
また、その名前をつけた飼い主はどういう心理でその名前をつけたのかも見ていきます。
人気な犬の名前
ではまず人気な犬の名前について調べてみましょう。約10万5千頭を対象に実施した「犬の名前ランキング2019」を参考に見てみます。
まず性別関係なしの総合ランキングがこちらです。
総合ランキングは「ココ」が圧倒的な人気を獲得しており、2位の「モモ」から5位「チョコ」までは昨年同様の順位となっています。
TOP10圏内では昨年12位の「マル」が10位にランクインしています。次にオス・メスの性別ランキングを見ていきましょう。
男女別の名前では昨年2位の「レオ」が連覇を達成しています。2位に僅差で「ソラ」が続きました。また、昨年14位の「カイ」がTOP10入りを果たしています。
女の子部門では「モモ」が1位を獲得し2連覇を達成。2位には昨年3位の「ハナ」がランクインし僅差で「ココ」が続きました。また、昨年13位の「ムギ」が7位にランクインしています。
名前の響きなどから見ても万人受けしやすいシンプルな名前が好まれているようです。
更に名前の意味から見ても、オスは男の子らしさをイメージさせる名前で女の子は逆に花をイメージさせる名前が多いことが分かるでしょう。
犬の名前の法則
この結果から分析していくと幾つか犬の名前の法則・共通性があります。
シンプルな名前
まず犬の名前はシンプルさ・覚えやすさが大事で、ここがまず出来ていないと意味がありません。
犬はよく「耳がよい」と言われますが、それは人間よりも広い音域の音を聞くことができるからであり、どの音もまんべんなく聞き取れるわけではありません。
特に犬は子音を人間ほど聞き取ることができないので、子音ばかりで且つ長い名前は避ける傾向があります。
イメージがぱっと浮かぶ名前
見て貰うと分かりますが、聞いただけでどんなイメージかがぱっと浮かぶ名前が共通しています。
たとえば「ソラ=空」とか「ハナ=花」とかのように、漢字で変換できたり「レオ」とかは「レオン→ライオン→勇猛果敢」となるのです。
他の例で言えば、例えばアニメ「クレヨンしんちゃん」の「シロ=白」とか「サザエさん」の「タマ=玉」とかもそうでしょう。
これらはその犬や猫の名前が視聴者にも分かりやすいイメージの単語が名前として選ばれています。
犬は人間の言葉の意味が理解出来る訳ではないので、シンプルで呼びやすくてもなるべく分かりにくいものは避けているのです。
「ポチ」の由来は?
犬といえば、「ポチ」という名前を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
実はこのポチという名前は明治時代の文明開化に伴い急速に広まったと言われています。
諸説ありますが、最有力候補はフランス人が自分の犬をpetit(フランス語で「可愛い」という意味)と呼んだのを日本人が真似たのだとか。
また、中にはアグレッシブな名前もあって、「テニスの王子様」では橘杏という女の子が愛犬に「ゴクトラ」という名前で呼んでいました。
如何にも任侠映画などに出てきそうな名前ですが、これはこれで個性的でいいんじゃないでしょうか。
飼い主の心理
こうしてみると、犬に名前をつける飼い主の心理にも様々あることが窺えます。
以下その飼い主の心理を分析してみましょう。
ありきたりな名前
上記でランクインしているありがちな名前をつける人は無難な安定志向という傾向があるそうです。
言ってみれば大学受験で「周りが大学行くから自分も行っとこう」みたいな「長いものには巻かれろ」という傾向でしょう。
日本人は特にこの傾向が強く、他人とどこか同じでなければ不安で仕方ないという心理ではないでしょうか。
また、変な名前にして周りから白い目で見られるのが嫌だからということも挙げられます。
外見のまんまの名前
白い犬=シロとか玉の形だからタマみたいな名前の付け方をする人はほぼ見た目と中身が一致している人です。
素直と言えば素直ですが、悪く言えば単純明快で捻りがなくさして面白くない人ともいえます。
ただ、逆にいうと見た目が中身を表わすことも分かっているので、飾らず自然体な人柄ではないでしょうか。
こういう人はクレヨンしんちゃんやサザエさんがそうであるように万人受けがいいでしょう。
個性的な名前の人
上記した「ゴクトラ」がそうであるように、個性的な名前・変わった名前を犬につける人は逆に人と被るのを嫌います。
こういう人はよくいえば職人肌、悪く言えば協調性に欠ける癖の強い人が多いのではないでしょうか。
そんな名前をつけられる犬ですから、結構変わった個性派の犬が多いことも珍しくありません。
ただ、いわゆる「長いものには巻かれろ」の傾向がある日本の集団主義の中では浮いてしまう存在です。
柔らかい名前
「ハナ」などがそうですが、ソフトなイメージの名前をつける人は癒やしを求める傾向にあります。
そもそも犬に限らずペット自体が贅沢品ですから、癒やしを求めたくなるのも当然でしょう。
ただ、ペットに癒やしを求めたりする人は恋人が出来にくいとも言われています。
異性に求めるものを犬に求めているので、その辺りに無自覚にならないよう気をつけて下さい。
つけてはならない犬の名前
犬の名前をつけるのは飼い主の自由ですが、つけてはいけない犬の名前も存在します。
絶対ではないのですが、つけてはいけない犬の名前とその理由を解説します。
人の名前はできるだけ避ける
上位ランキングにも上がっている名前は人の名前として使われているものも多数あります。
例えば「ソラ」「カイ」「リク」「モモ」などはもろに日本人に使われている名前でしょう。
そうなると重複になって犬が混乱してしまうので、人の名前はできるだけ避けることです。
将来つけたら違和感の出る名前
子犬の頃と成長してからでは犬の容姿や大きさがだいぶ変化しますので、そのことをよく考えて名前をつけることも大切です。
子犬で小さくてかわいいから「チビ」と付けると、実は大型犬で成長するとチビではなくなってしまうこともあります。
他にも被毛の色をそのまま名前につけると大きくなったときに変化することがあり違和感が出てしまうのです。
そうした子犬期の外見で名前をつけると後々とんでもない目に遭うので絶対に避けて下さい。
海外では名前の意味を調べてからにしよう
日本では一般的な犬の名前でも、海外では変な意味の名前になってしまうことがあります。
例えばスペイン語圏では「クロ」が「お尻」という意味になりますし、人気ランキングにもある「モコ」はスペイン語圏では「鼻水」という意味です。
また「イチ」とい名前は英語圏だとitch(かゆみ)という意味に聞こえてしまうので、語弊があります。
このように外国語の響きが格好いいからなどと安易に名前をつけて後悔することになっても責任は取れません。
つけるときは慎重につけて、その名前を一生大事にしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は犬の名前の人気についてその傾向や飼い主の心理など、様々な方向から掘り下げてみました。
愛犬につける一生を決める名前なので、よくよくお考えの上で大事な名前をつけることです。
世間がつけているからと安易にランキングに乗っかるような名前の付け方は避けましょう。
また、意味も知らないでつけて後悔することにならないよう気をつけることも忘れないでください。