犬のしつけ「おかわり」を解説!「お手」との違いや具体的な方法を紹介

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犬のしつけ入門

前回の記事では「お手」について解説しました。今回はその「お手」と並ぶトリック芸の「おかわり」について見ていきます。

こちらも決して必須のしつけというわけではありませんが、覚えさせておいても損はないものなので詳しく掘り下げましょう。

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おかわりとは何か?

まず「おかわり」は大体「お手」とニコイチの組み合わせで覚えさせる人が多い芸とされています。

しかし、「おかわり」という言葉の意味や芸としてしつける意義は意外に知られていないのではないでしょうか。

「お手」同様まずはおかわりとは何か?について掘り下げていきましょう。

おかわりの由来

まず「おかわり」という言葉を聞くと「ごはんのおかわり」という意味に捉えられるかもしれません。

しかし実際には違っていて「おかわり」とは「お手のかわり」、すなわち「お手」とは違う前足を出せという意味です。

こうした言葉の意味を知らずにご飯やおやつの代わりだと思っている人も多いと聞きます。

この言葉の意味を混同しないようにしっかりと覚えておきましょう。

どっちがどっちという決まりはない

さて、「おかわり」というと「お手」とは逆ということでお手が右足、おかわりが左足と教える飼い主が多いようです。

しかし、それはあくまでも一例であってどっちがどっちという決まりはなく、逆に覚えさせてもかまいません。

大事なのは前回でも述べたように最初に決めた言葉と差し出す手を絶対に変えないよう統一することです。

「お手」と右前足なら「おかわり」と左前足、「お手」と左前足なら「おかわり」と右前足としてください。

このルールを崩してしまうと犬は指示系統がどっちか分からず混乱するので円滑に進めるためにも避けましょう。

弊害もある

前回の「お手」の意義でも軽く触れましたが、「お手」「おかわり」にはそれを教える弊害もあります。

それは犬の飼い主に対する興奮や要求がエスカレートして強請るようになってしまうということです。

餌やおやつを使わなくても一度覚えさせてしまうと飼い犬の肩や上に乗せ自分側に引っ張るようになることも。

これはいわゆる「味を占める」というやつで、このような芸当を覚えて飼い主に喜んで貰えると思ってしまうのです。

つまりわがままを押し通す自己中心的な犬に育ってしまいかねない諸刃の剣でもあります。

そのような弊害もあることから、あえて教えないという飼い主も少なからず居ることは忘れないでください。

セットにしない

そしてもう一つ大事なのは教える時期や順番を「お手」とセットにしないことです。

特に社会化期に教える場合脳の理性が未発達故に両者の指示内容と評価の違いを分別できません。

なので教えるのであれば一度「お手」を習得させて、まったく関係ない流れで「おかわり」を習得させましょう。

連続で「お手」→「おかわり」と支持を出す場合は両者の区別がしっかりできるようになってからです。

ここを意識しないとお手とおかわりがセットで来る、もしくはどちらか区別がつかなくなってしまいます。

より正確性を高めるためにランダムで指示を入れ替えたり二回連続で同じ指示を出したりしてしっかり習得させてください。

おかわりの具体的なしつけ方

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ここまではおかわりの意義について説いてきましたが、いよいよ具体的なおかわりのしつけ方です。

とはいえ、基本的には「お手」と同じことの繰り返しなので、ここではもう少し違う観点から解説してみましょう。

日常の中でも自然にできるようにする

大事なことは「お手」も「おかわり」もごく自然な日常風景の一部でできるようにすることです。

訓練という形でしかできないようでは単なる「訓練のための訓練」になってしまいます。

では日常のどの場面で使うのかというと散歩後の足ふきと足の爪を切る時です。

散歩後の足拭きは本当に大事で、ここを丁寧にやっておかないと床に犬の足跡がついて汚れてしまいます。

そしてまた足の爪を切る時も犬が足を触られることになれておかないとできません。

犬も飼い主も関わり合いの中で生きているので、訓練は日常の中で実践してこそ意味があるのです。

ドッグダンスへの応用

また、ドッグショーや犬の競技大会ではドッグダンスがあって、ここでも「お手」「おかわり」が役立ちます。

ドッグダンスでは人の手だけではなく膝や足の上など様々なパターンを習得させることで芸の幅が広がるのです。

しかも繰り返していくうちに言葉のキューだけで犬が単独で前足を上げてくれるようになります。

これを徹底していくと、犬と人間のシンクロ度の高いダンスが見せられるのです。

完全な上級者向けですが、プロのドッグマスターやブリーダーを目指す方には必須のスキルでしょう。

犬の集中力がある時に教える

大型犬や小型犬など種類にもよりますが、犬の集中力はあまり長続きせず5~15分位と言われています。

集中力が切れた状態でトレーニングを行っても逆効果でそのトレーニングを嫌うようになるでしょう。

そうなると覚えてもらえなくなるので、短時間のトレーニングを間隔をあけて行ってください。

人間でも集中力は15分と言われていてそんなに続かないのですから、犬となればなおさらです。

何事もオンオフのけじめが大事なので、犬が集中できる状態かを見極めて行いましょう。

空腹のときに教える

「お手」「おかわり」に限らず全てのしつけ・芸に共通しますが、空腹の時に教えてください。

「世界一忠実な犬は空腹な犬だ」という言葉まである位、犬は空腹の時が一番言うことを素直に聞きます。

食前や散歩中などは最もお腹が空いている時間でしょうから、この時に教えるのが一番有効です。

逆に食後はしつけなどをせず犬を無視してじっとさせておくといいでしょう。

ここで下手に構わず距離を取ることで飼い主と犬の関係性は上手に保たれます。

不即不離の距離感が肉体面・精神面の双方にあってこそ飼い主と犬の関係性が保たれることを忘れてはいけません。

まとめ

前回と今回はしつけの中でも重要度がそこまで高いものではない芸の「お手」「おかわり」について見てきました。

上記しましたが、あくまでもマストではない「芸」なので、初心者は必ずしも覚えさせる必要はないでしょう。

寧ろ犬との関係が崩れるようであれば教えない方がいい代物なので、その辺りは見極めが大事です。

テレビなどで流行っているからと流されず、あなた自身の育成ポリシーを大事にして育ててください。

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