犬のしつけ「お手」を解説! その起源・意義と具体的な方法をご紹介

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犬のしつけ入門

前回の記事では犬の代名詞「吠える」について詳細に掘り下げ、解説しました。

今回と次回はそれぞれ「吠える」に並ぶ犬の代名詞「お手」「おかわり」について掘り下げていきましょう。

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「お手」の意義

「お手」はどちらかといえば「しつけ」というよりも「芸」として世間一般には認知されているのではないでしょうか。

いわゆる動物番組などでも多く見かけますが、意外となぜ「お手」があるのか意義がわからない人もいるはずです。

ここでは改めて「お手」とは何か?についてじっくり解説していきましょう。

起源はオオカミの習性

まず起源から話すと、「お手」はそもそも犬の祖先であるオオカミの習性から来ています。

まだペットや盲導犬の概念がなかった時代ではオオカミにとって脚こそが山を駆け抜け獲物を狩るのに必要な最大の武器でした。

そのオオカミが脚の裏のや肉球を相手に見せ足を相手に預けることは「敵意がないこと」を示しています。

この習性が犬になっても名残としてあり、お手を行うことで人間の言うことを聞くようになったのだそうです。

つまり闘争本能を象徴する部分だからこそ飼い主や指導者など心を許した人以外には見せられないということでしょう。

昔は徹底した主従関係の象徴として用いられ、そうでなければ厳しい環境で過ごせなかったからです。

お遊びと化した現代

とはいえ、現代ではそのようなサバイバルの厳しさが抜け落ちペットのお遊びとして定着している印象が強くあります。

なので「服従」の意味だけではなく「要求」や悪いことをした時の「謝罪」の代わりとして行う犬もいるほどです。

またドッグショーなどのような犬と飼い主の関係を競う大会などで用いる位で、重要度は高くありません。

しかし「要求」などで犬がお手を行っている場合は決してそこで気を緩めて許さないでください。

ここでうかつに下手に出ると、犬は付け上がって飼い主を下に診て横暴な振る舞いをし上下関係が逆転してしまいます。

厳しさが抜けて遊びになってもあくまで上下関係を崩さないようにルールは徹底しましょう。

お手を教える意義

お手はあくまでもしつけというより「芸」なので、必ずしも無理強いして教える必要はありません。

その上で尚「お手」を教える意義は大きく分けて二つあり、一つが犬に「足を触られる」ことに慣れさせるためです。

例えば散歩から帰ってきて汚れた犬の足を拭いたり、伸びた犬の爪を切ったりする時に犬の足に触りやすくなります。

二つ目に犬との関係がギクシャクしたり悪化して修復が難しかったりする時にも役立つ方法だからです。

大事なのはあくまでも飼い主と犬の信頼関係であって、お互いが円満に過ごすための手段にすぎません。

いつから?

「お手」に限らず、犬のしつけはなるべく早めの内に行っておくのがいいとされています。

一番早いところで生後2~3ヶ月後の社会化期辺りに始めるのがよいでしょうが、一つ問題があります。

それは一度に大量のしつけを行うと犬が混乱してしまいパニックを起こしてしまうかもしれないという問題です。

その3でもお話ししたように、子犬の時期にはトイレトレーニングをはじめ日常で最優先に行うべきしつけがあります。

それらを一通り習得してからでも遅くはありません。焦らずじっくり習得させていきましょう。

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お手の具体的な方法

ここまででお手をやる意義についてお話してきましたので、今度は具体的な方法について解説していきます。

掛け声と差し出す手を統一する

まず一番大事なことは掛け声と差し出す手は絶対に統一することで、ここをしっかりやっておかないと大変です。

掛け声は通常の場合「お手!」、差し出す手は人間の左手と犬の右足手前がいいとされますが絶対ではありません。

ここで掛け声を急に「ハンド!」にしたり、差し出す手を左手に変えたりすると指示系統が違って犬は混乱します。

犬はあくまでも「音」に反応しているのであって「命令内容」そのものを理解しているわけではないのです。

また、飼い主が一人暮らしなら兎も角二人以上の場合は絶対にコンセンサスを取ってルールを統一しましょう。

他のしつけと同じように何事も基礎ルールの徹底こそが最重要ポイントです。

最初はご褒美を持ちながらグーで

最初は犬に「おすわり」をさせ、ご褒美のおやつを持ちながらグーの手を犬に差し出しましょう。

この時手の位置が高すぎたり低すぎたりしないよう、犬にとって丁度良い高さで出すことも忘れないでください。

勿論「お手!」という言葉はしっかり添え、きちんと出来たら褒めてあげます。

ここでのポイントはお手を「いいこと」だと思わせた状態で習慣化させることです。

警戒心の強い動物なので、このトレーニングが嫌なものだという不快感を与えないようにしましょう。

慣れてきたら褒美を減らす

ただし、毎回褒美を与えるのではなく、慣れてきたら徐々に褒美を抜くようにしましょう。

大事なのは褒美が無くても「お手!」という掛け声と手を差し出す動作だけでできるようにすることです。

他のしつけと同じように、褒美を毎回与えてるとそれが当たり前になって強請るようになってしまいます。

それを放置した状態でお手を続けると最悪の場合上記したように主従関係が逆転しかねません。

あくまでも飼い主が上位で犬は飼い主に従うものだという感覚を忘れさせないことです。

上手くいかない時

とはいえ、犬も生き物ですからお手を教えようとしても上手くいかない時はあります。

その中でも犬が飼い主の命令を聞かない時やお手そのものを嫌がる時は注意が必要です。

原因としては成犬してからの反抗期か、もしくは足を触られるのが嫌という場合があります。

こういう時は無理にお手をやろうとせず様子を見ながら落ち着くまで待ちましょう。

ここで上から押さえつけようと注意したり強く叱ったりすると関係が悪化しかねません。

飼い主の方が関係が上といっても決して奴隷ではなくある程度の自由の尊重は大事です。

まとめ

いかがでしたでしょう?ここまでお手について、やや簡略化しながら解説してきました。

今回の「お手」と次回の「おかわり」はマストではなく「+α」としてあるといいなという程度のものです。

無理強いはせず犬の気持ちを尊重して楽しく円満なコミュニケーションの手段として活用してください。

飼い主と犬との信頼関係が基本にあってこそ、できるトリック芸なのですから。

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