さて今年も早2ヶ月が経過しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
緊急事態宣言が再発動され、ずっと家に籠っていた方もいらっしゃることと存じます。
そんな中新たにペット用犬を飼ったという方はどの犬を飼えばいいのか迷っているかもしれません。
そこで最新のペット保険シェアNo.1のアニコム損害保険株式会社が提供する人気の犬種ランキング2021をこちらでも取り上げます。
ただ、発表するだけでは面白くないのでそこから改めてペット市場の現状を分析してみましょう。
これから犬を飼おうと思っている方は是非参考にしてください。
全体の傾向を分析
まず全体の傾向を分析してみてわかることは日本だと圧倒的に小型犬が人気だということです。
ペット保険シェアNo.1のアニコム損害保険株式会社ランキングは2008年から始まっています。
その12年間の中で小型犬がずっと上位を独占し続けているのは驚異的ですらありましょう。
12年連続のトイ・プードルはいうまでもないのですが、柴犬以外見事に小型犬のみです。
5位以下は若干の変動こそあるものの、それでも去年からずっとランキングが変わりません。
日本ではあまり中型犬・大型犬が好まれない傾向にあるのだということがよくわかります。
結果から分かる日本のペット市場の現状
このように日本では未だにトップ10を小型犬が独占しているという現状があります。
もちろん中型犬・大型犬を購入している人もいますが、主流は小型犬です。
この結果から読み取れる日本のペット市場の現状を読み解きましょう。
小型犬の方が経済的にお得である
まず1つ目に小型犬の方が経済的にお得であるということです。
弊サイトの記事をご覧になった方はご存知でしょうが、小型犬は中型犬・大型犬に比べて生姜費用が安く済みます。
餌代もそんなに高くない上、治療費や保険料等々も含めると費用対効果がかなりお得なのです。
短期的な目線ではなく長期的目線で見て非常にお買い得だということがここからも伺えます。
しかも長生きなのでどうしても寿命が短い中型犬・大型犬は選ばれにくいということでしょう。
だからこそ愛されるし親しみやすい犬種なのではないでしょうか。
小型犬の客単価が非常に高い
2つ目に小型犬の客単価が非常に高いことがこのランキングから伺えます。
特にトイ・プードルはシェア20%も誇っているのですから、相当に価値が高い犬種です。
12年も連続で1位を記録しているということはそれだけ愛されている証でしょう。
5位以下の犬種が変動しているにも関わらず、トイ・プードルだけはランキングが変わりません。
またミックス犬やチワワも同様に根強い人気を維持し続けており、固定のファンがいます。
大事なのはランキング上位であることよりもむしろそれを維持し続けていることです。
小型犬は日本ペット業界のインフルエンサー
そして3つ目に小型犬は日本ペット業界のインフルエンサーであるということです。
今流行りのYouTuberに例えるなら、トイ・プードルはトップYouTuberのような存在でしょうか。
CMにもたくさん出ていますし、ペット系YouTuberでもトイ・プードルを飼っている人は少なからずいます。
例えば「トイ・プードルの虎太郎」のように小型犬といえばトイ・プードルというイメージがあるのです。
そのチャンネルは登録者数も10万に近い8万人程を記録しています。
今ペットの需要はまだニッチな分野とはいえ確実に伸びているので、今後間違いなく伸びていくでしょう。
下手すれば人間よりも集客しやすい存在になってくるかもしれません。
憧れの犬ランキングから分かること
そんな人気の犬種ランキングに対して一緒に住んでみたい憧れの犬種もまた存在しています。
ここではその憧れの犬種ランキングから読み取れることを考察していきましょう。
大型犬を飼ってみたい理由
非常に面白いのは人気の犬種トップ10とは対照的に憧れの犬種トップ10のほとんどを大型犬が占めていることです。
やはり小型犬が現実には飼いやすいものの、どこかで大型犬を飼うことへの憧れがあるのでしょう。
なぜかというと1番はやはり経済的に大型犬を飼うのは難しいということかもしれません。
ペットは身も蓋もない言い方をすれば、プロでもない限りは単なる贅沢な嗜好品でしかないのです。
ブリーダー・トレーナー・ペット系YouTuberなど犬を飼うことで生計を立てている人は問題ありません。
なぜならばペットを飼うことそのものが人生であり、ペット産業で収益を立てているからです。
また警察犬や盲導犬などペットがいないと生活が成り立たない人も除きます。
しかしそういう人たちを除けば、大型犬の存在は多くの人にとって金食い虫となるのでしょう。
「金」に憧れる日本人
2つ目に1位がゴールデン・レトリーバーであることもまた面白い結果ではないでしょうか。
これが何を示しているかというと日本人は潜在意識の部分で「金」に憧れているということです。
その「金」の意味は2つで1つが「お金」(money)、もう1つが「金」(gold)になります。
ましてやコロナ禍による失業が酷いのが現状ですから、お金に困っている人もいるでしょう。
そういう人たちからするとゴールデン・レトリーバーは「欲しいもの」なのかもしれません。
海外でも非常に人気が高いので、日本人はどこかで「金の成る木」と思っている節があります。
そういう欲望が決して裏にないとは言いませんし、言わせません。
それを綺麗事で隠さずに本音として出しているのがこのアンケートでしょう。
日本人にとって犬は見た目が9割
そしてトイ・プードルとゴールデン・レトリーバーが1位であることにも意味があります。
それは所詮日本人がペットを見る時も見た目で9割を判断しているということです。
トイ・プードルもゴールデン・レトリーバーも突出したルックスを誇っています。
毛並みはどちらも金色に近く性格も愛らしく、まさに生まれ持ってのアイドル気質です。
だからこそ多くの人はアイドルペットであるこの2種類に憧れを持つのではないでしょうか。
所詮人間生まれ持ったルックス以上に説得力のある情報はないのです。
ペットも同じことであり、見た目の綺麗さによってほとんどを判断されます。
日本で大型犬があまり飼われない理由
こうして結果を分析すると、改めて日本で大型犬が飼われない理由が見えてきます。
これまで述べてきた理由を踏まえて考えてみましょう。
悪い意味での貯蓄思考
まず1つ目に日本人は悪い意味での拝金主義、いわゆる「貯蓄思考」があります。
何かに対して高いお金を払うことを悪だと心のどこかで思い込んでいるのではないでしょうか。
しかし、ホリエモンら著名人が証明していますが、貯蓄思考は元をたどると世界大戦中に生まれたものです。
あれはお国のために捧げる投資用のお金として国民に植えつけられた旧態依然のシステムでした。
そんなものを有り難がる風潮がなぜか今も日本に残ってしまっているのです。
それがトイ・プードルは安いから飼えてゴールデン・レトリーバーは高いから飼えないという思考に繋がるのでしょう。
しかし値段の高低を除けば小型犬を飼うことも大型犬を飼うことも本質的には同じです。
そのことに気付かないからいつまで経っても小型犬ばかりが人気なのではないでしょうか。
十分なスペースがない
2つ目に大型犬を飼うだけの十分なスペースがないからではないでしょうか。
一軒家を持っている人は別として、多くの人は賃貸でペットを飼う傾向があります。
そうなると狭い部屋で大型犬を飼うとスペース的にかさばってしまうのです。
またパワーがあるためいつ暴れだして部屋を荒らされるかわかったものではありません。
そういう諸々の要素が懸念されるから、大型犬を飼うことが忌避されるのではないでしょうか。
大型犬の場合ほとんどが外に小屋を作っていることからもそれは明らかです。
大型犬を飼うだけの体力・精神力がない
そして3つ目に大型犬を飼うだけの十分な体力・精神力がないのではないでしょうか。
大型犬はとにかくパワフルなので面倒を見るのに凄まじいエネルギーを消耗します。
お金は小型犬の倍近くかかる上に運動量も多いので世話するだけで飼い主は疲弊するでしょう。
癒しどころかストレスの元凶になりかねないとの見方もかなり強いようです。
だからこそ、このような形になってしまうのでしょう。
そのことをわかっているからこそ、尚更大型犬は日本ではあまり好んで飼われないと推測されます。
経済力と心の余裕、そしてペットへの投資は比例する
ここから分かるように、経済力と心の余裕・ペットへの投資は比例するということです。
ペットにきちんと投資している人はやはり経済的にも精神的にも余裕がある人でしょう。
逆にいうと、経済力がない人は心の余裕もなくペットへの投資もいい加減になってしまいます。
そう見ると日本人で大型犬が少ないことはそのまま日本人の経済力と心の余裕が低いことを意味するのです。
ペットへの投資を惜しんでしまうようであれば最初から飼わない方がいいといえるのではないでしょうか。
ペットを飼うのであれば最後まで責任を持って一生を共にする覚悟が必要といえます。
犬を飼うのであれば投資を惜しまないこと
改めて今回のランキングを分析しての結論は「犬を飼うなら投資を惜しむな!」に尽きます。
身も蓋もないことをいっていますが、ペットは経済力がない人がおいそれと手を出すべきものではありません。
経済力とは単なるお金がどれだけあるかではなく、収支管理能力がきちんとあるかどうかです。
小型犬が未だに根強い人気を誇り、逆に大型犬がいまいち不人気であることはその事実を如実に物語っています。
ましてや今コロナ禍に伴い空前のペットブームと同時に大量の飼育放棄もまた起こっているのです。
その現実を厳正に受け止めてこのランキングを正しく読み取ることが大事ではないでしょうか。
一生に1度の素敵なペットライフを豊かにできるかどうかは飼い主のリテラシーにかかっています。
そのことをきちんと考慮した上で責任を持ってペットの面倒を見てください。